2009 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子工学・細胞生物学的アプローチによる配偶子形成過程における分子基盤の解明
Project/Area Number |
21592111
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
荒木 慶彦 Juntendo University, 大学院・医学研究科, 先任准教授 (70250933)
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Keywords | 生殖細胞 / TEX101 / Ly6k / GPIアンカー型タンパク質 / 精子形成 / マウス / 精巣 |
Research Abstract |
生殖細胞(配偶子)形成は正常な受精・発生を保証する上で重要かつ本質的な過程である。 従って、その過程に関連する分子の機能不全があれば配偶子の機能不全に繋がり、結果として不妊症になる。生殖細胞形成過程には形成段階に特異的な様々な分子群が関与しているが、それらの分子群のうち我々は生殖細胞マーカー分子TEX101分子に焦点を当て研究を進めてきた。TEX101は、近年癌細胞の転移・接着に関与する重要分子群として注目されているウロキナーゼ型プラスミノーゲンアクチベーター受容体(uPAR)/Ly6ファミリーに属すGPIアンカー型タンパク質であることを我々は明らかにしている。このことは、接着・移動等の細胞生物学的機能を介して配偶子形成過程においても本分子特有はユニークな生理活性を有することが推測される。本年度は、まずこの分子と精巣内で共役することをこれまでの研究で明らかにしたLy6k分子(GPIアンカー型タンパク質)との相互作用・分子発現動態を時系列で確認することを試み、免疫組織化学・分子生物学的にこれらの分子および遺伝子発現を解析した。その結果、Ly6kは生殖細胞特異的な発現は示さなかったが、精巣内においては時間的・空間的にTEX101と密にリンクした挙動を示すことが明らかになった。平行して試みている遺伝子相同組換えを用いたTEX101遺伝子欠損ES細胞は、その樹立を目指して、現在、TEX101遺伝子エクソンをネオマイシン耐性遺伝子に置き換えたターゲティングベクターを構築し、マウスES細胞にエレクトロポレーション法で遺伝子導入を試みている。
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