2009 Fiscal Year Annual Research Report
オリゴ糖の亜鉛吸収促進作用を利用した味覚障害の治療法の開発
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21592194
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
武田 憲昭 The University of Tokushima, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (30206982)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 茂 お茶の水女子大学, 人間文化創成科学研究科(研究院), 教授 (70093896)
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Keywords | 亜鉛 / 亜鉛欠乏 / 血清ACE活性比 / 血清亜鉛値 / 味覚障害 / 亜鉛補充療法 / オリゴ糖 |
Research Abstract |
体重200gのウイスター系ラットを使用し、ミネラル混合を亜鉛フリーのものを使用して亜鉛欠乏食餌を作成した。ラットを亜鉛欠乏群とコントロール群に分け、亜鉛欠乏群に亜鉛欠乏食餌を与え、血清亜鉛値と血清ACE活性比を測定した。亜鉛欠乏食を9日間投与したところ、投与期間が長くなるにつれて血清ACE活性比が上昇し、5日間投与、9日間投与で血清ACE活性比はコントロールに比べて有意に増加した。一方、血清亜鉛値も亜鉛欠乏食の投与期間が長くなるにつれて低下し、9日間投与で血清亜鉛値はコントロールに比べて有意に増加した。このことから、血清ACE活性比は血清亜鉛値と比較して、より鋭敏に亜鉛栄養状態を反映すると考えられた。 亜鉛欠乏の基礎データーを収集する目的で、健常成人109人の亜鉛摂取状況、血清亜鉛値、血清ACE活性比を調旨べた。血清亜鉛値は全ての食品群別の1日あたりの亜鉛摂取量との間に相関を認めなかった。一方、血清ACE活性比は米・加工品、でんぷん・加工品、貝類からの1日あたりの亜鉛摂取量との間に負の相関を認めた。また、血清ACE活性比はその他の豆・加工品と鳥肉からの1日あたりの亜鉛摂取量との間に正の相関を認めた。亜鉛含有量は少ないものの主食である米・加工品、および亜鉛含有量の多い貝類からの亜鉛摂取が、健常成人の亜鉛栄養状態に最も影響与えていると考えられた。その他の豆・加工品には亜鉛をキレートするフィチン酸が多く含まれていることから、その摂取は亜鉛栄養状態を悪化させると考えられた。さらに、血清亜鉛値は全ての食品群別の1日あたりの亜鉛摂取量との間に相関を認めなかったことから、亜鉛栄養状態の評価にはACE活性比が適しており、血清亜鉛値は不適当であると考えられた。
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Research Products
(1 results)