2011 Fiscal Year Annual Research Report
オリゴ糖の亜鉛吸収促進作用を利用した味覚障害の治療法の開発
Project/Area Number |
21592194
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
武田 憲昭 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (30206982)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 茂 十文字学園女子大学, 人間生活部, 教授 (70093896)
|
Keywords | 亜鉛欠乏性味覚障害 / ACE活性比 / 亜鉛吸収障害 / オリゴ糖 |
Research Abstract |
ACE活性比が上昇している亜鉛欠乏性味覚障害の患者に、polaprezincによる亜鉛補充療法を行うと、ACE活性比が低下して味覚障害が改善する。しかし、投与する亜鉛の量を増加させても味覚障害の改善率は変化しない。一方、味覚障害患者の栄養調査からは、亜鉛欠乏性味覚障害患者の亜鉛摂取量は健常人と比較して差を認めなかった。このことから、亜鉛欠乏性味覚障害患者では亜鉛の吸収障害が原因であると考えられた。そのため、次に健常人の食品別の亜鉛摂取量とACE活性比で評価した亜鉛栄養状態に与える影響について検討した。その結果、日本人は主食である米が亜鉛の主要な供給食品であり、貝は摂取量が少ないものの亜鉛の含量が多く、亜鉛栄養状態によい影響を与えていた。日本人が比較的多く摂取する豆は、亜鉛の吸収を阻害するフィチン酸を多く含んでいるため、亜鉛栄養状態に悪い影響を与えていた。亜鉛欠乏性味覚障害患者では、豆類などの食品による亜鉛吸収障害が原因の1つである可能性が示唆された。そこで、亜鉛の腸管からの吸収を促進するオリゴ糖を、polaprezincによる亜鉛補充療法で効果のない患者に対して、polaprezincと併用して服用させた。すなわち、polaprezincを1回75mg1日2回服用する際に、オリゴ糖を1回1g1日2回を同時に服用させた。その結果、約35%の患者に自覚的な味覚の改善が認められた。オリゴ糖は難治性味覚障害患者の新しい治療法となる可能性が示唆された。
|
Research Products
(2 results)