2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21592244
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
村戸 ドール 慶應義塾大学, 医学部, 准教授 (60385284)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樋口 明弘 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (20383755)
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Keywords | 喫煙 / 酸化ストレス |
Research Abstract |
前年度はタバコ煙暴露によってラットの角膜に高度な上皮障害(点状表層角膜症、角膜上皮びらん)ならびに涙液動態に異常が発生することを証明し、涙腺組織に多数の炎症細胞が浸潤したことを確認できた。タバコ煙によってるラットの涙液量が著名に減少するという興味深い結果が得られた。また涙腺および角膜組織にDNAの酸化ストレスマーカー(80hDG)の免疫染色を行い、スモーカーラット涙腺腺房上皮細胞の膜と核に高度な酸化ストレスが起っていることも明らかになった。タバコ煙が涙腺および角膜組織にどのようなメカニズムで炎症と酸化ストレスをおこしているかを調べるため、涙腺および角膜のAhRとCYP1A1受容体の発現を免疫染色並びにRT-PCR法にて検討した。これら受容体の発現増加と肺癌における炎症の程度の因果関係は指摘されていることよりタバコ煙暴露後における受容体の発現料を調べた結果,タバコ煙暴露に伴って両方の受容体の発現量が著しく増加することが明らかになった。これら受容体の角膜・涙腺組織の免疫染色でも同様な結果が得られました。本研究によってタバコ煙中の様々な物質の影響を受け、AhRとCYP1A1受容体の発現の増加が炎症および酸化ストレスを引き起こし、ドライアイ並びに眼表面上皮障害が生じることが明らかになった。現在本研究で得られた結果を英文論文としてまとめている最中で本年中英文雑誌に投稿する予定である。
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