2010 Fiscal Year Annual Research Report
生体にやさしい高分子複合型ジルコニアクラウンの開発
Project/Area Number |
21592453
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
下江 宰司 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 講師 (90379884)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
里田 隆博 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (80170801)
玉本 光弘 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (00136110)
田上 直美 長崎大学, 病院, 講師 (70231660)
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Keywords | 複合材料・物性 / ジルコニア / コンポジットレジン / 接着表面処理 |
Research Abstract |
歯冠修復用ハイブリッドレジンによる複合型補綴物が臨床応用に必要な複合強度を有するためには,機械的な維持力と科学的な接着が必要だと考えられる.通常,ジルコニアフレームに前装冠のリテンションビーズのようなものを付与することは難しいため,アルミナブラストによりジルコニア表面に微細な凹凸を付与する方法が一般的である.しかしながら結合強さが最大となる噴射圧や粒径などは明らかになっていないため,0.1,0.2,0.3,0.4MPaの噴射圧と25,50,90,110μmの粒径を条件として検討した.その結果,表面粗さは噴射圧,粒径ともに大きくなるほど粗くなった.一方,接着強さにおいては600番の耐水紙で研削したコントロールとは差があったものの,アルミナブラストを施したグループ間で差は見られなかった. 次にジルコニアはアルミナブラストのような応力を加えると表層の結晶層が正方晶から単斜晶に変化することが知られているが,陶材の焼成では熱処理により正方晶に戻すことが奨励されている.この熱処理による影響を組成タイプの異なる2種類の歯冠修復用ハイブリッドレジンを用いて検討した.この結果,熱処理は1200℃で加熱するが,表面粗さを計測したところ表面の凹凸に変化は見られなかった.しかしながら,2種類の歯冠用レジンともに熱処理を行うことで接着強さが有意に減少した.このことから,ジルコニアと歯冠修復用ハイブリッドレジンの接着において,熱処理は必要のないことが明らかとなった.
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