2010 Fiscal Year Annual Research Report
多変量解析を用いた義歯用セルフチェックシートの開発
Project/Area Number |
21592469
|
Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
北川 昇 昭和大学, 歯学部, 准教授 (80177831)
|
Keywords | 有床義歯 / 症型分類 / 有床義歯検査用紙 / 口腔内診察 / 機能評価 |
Research Abstract |
(社)日本補綴歯科学会では補綴治療の対象である歯質欠損,部分歯列欠損,無歯顎に対する症型分類の策定を進めてきた.この症型分類では,さまざまな患者サイドの欠損形態の評価を行っている.その有用性は明らかになってきたが,症型分類には装着されている補綴装置(義歯)の評価はない. 本調査は,各大学で使用中の有床義歯検査用紙を検討することにより,本学会推奨の有床義歯検査用紙の有用性と,義歯の不調と歯科への受診を自己判断可能となるセルフチェックシートを開発するため基礎的資料を得るために実施した. 調査対象は,(社)日本補綴歯科学会役員22名と代議員237名であり,郵送で調査用紙を送付し調査した.259名の調査対象のうち,回答のあったのは92名だった.所属が同じ日本補綴歯科学会の認定研修機関からの回答は1つにまとめた.29ある歯学部,歯科大学の全てから回答が得られた.有床義歯検査用紙があると回答したのは29大学中18大学であった.さらにこの中で13大学において現在使用中の義歯に対する検査用紙が用いられていた.大学所属以外の代議員からの回答は11であった.このうち有床義歯検査用紙を使用していると回答があったのは2名であり,用紙が送られてきたのは1名だけであった. この送付された13大学と大学以外の代議員からの用紙1つを加えて,集まった有床義歯検査用紙14部を検討中である.用紙の項目としては,口腔内の診察・検査,現在使用中の義歯の検査,機能評価,満足度評価など多岐にわたり,大学間で大きく異なっていた.また,学会で推奨されている「症型分類」を使用していた大学はなかった.今後,各項目についての分析を続ける予定である.
|