2011 Fiscal Year Annual Research Report
放射線療法を受けた顎骨組織のインプラント補綴による力学的反応
Project/Area Number |
21592497
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
友竹 偉則 徳島大学, 病院, 講師 (70263853)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長尾 大輔 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (90432749)
内藤 禎人 徳島大学, 病院, 助教 (20509773)
|
Keywords | 歯学 / インプラント補綴 / 放射線障害 / 骨芽細胞様細胞 / 持続的圧縮力 |
Research Abstract |
本研究は、放射線照射を受けたインプラント支持組織への力学的負荷の影響を検討することを目的としたる放射線照射によるオッセオインテグレーションへの影響として、マウス骨芽細胞様細胞株(MC3T3-E1)に実験から設定した線量の放射線を照射後、一定範囲の荷重条件で圧縮力を加えて、照射前・後の細胞から抽出したタンパクによりアポトーシス経路に関与する遺伝子発現状態を検討した。メカニカルストレスを負荷する方法には、MC3T3-E1にガラスシリンダーを使用して直接細胞に持続的圧縮力を加える我々が構築した実験系を用いた。 実験条件の設定の検索では、MC3T3-E1を6 well dishに培養し、0,1,2,5,10Gyの放射線量を照射した。24時間後の生存細胞数、死細胞数の血球計算板にて計測し、生育能への影響が比較的少ない1Gy,2Gyを実験での放射線量とした。6 well dishでMC3T3-E1を培養、設定した線量の放射線を照射し、24時間後から294Paの荷重を24時間付与した。 メカニカルストレスを負荷した後、生細胞および死細胞数の測定およびCaspase活性を測定した結果、放射線強度を増加させると細胞数の減少を認め、死細胞数では0Gyと2Gyで有意差を認めた。Caspase活性は放射線強度を増加させると有意に増加し、メカニカルストレスの負荷により減少した。アポトーシス関連タンパク質であるAKT、PTENの発現は線量間差が少なかったが、E照では放射線強度の増加で発現上昇が認められた。活性化タンパク質であるリン酸化分子は認められなかった。 本実験では骨芽細胞様細胞に直接刺激を付与したため細胞の育成管理に問題も多かったが、今後も継続して、放射線照射の条件とメカニカルストレスの負荷条件を再設定して遺伝発現やシグナル伝達系を明らかにしていく。
|