2011 Fiscal Year Annual Research Report
歯の発生過程における上皮―間葉相互作用の分子メカニズムを応用した歯再生医療の開発
Project/Area Number |
21592528
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
永井 宏和 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (50282190)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 洋二 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (20200214)
中田 憲 秋田大学, 医学部, 助教 (50400510)
杉山 俊博 秋田大学, 医学部, 教授 (00127242)
玉谷 哲也 徳島大学, 病院, 講師 (30274236)
内田 大亮 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (20335798)
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Keywords | 歯学 / 移植・再生医療 |
Research Abstract |
平成23年度は,間葉系幹細胞を用いた歯の再生医療を目指して,低結晶性炭酸アパタイトの生体内での挙動と,ドラッグ・デリバリー・システムの担体としての可能性を検討した,さらに,間質系細胞との共培養によるエナメル芽細胞の増殖・分化について検討した. 低結晶性炭酸アパタイトの生体内での挙動 ラット背部皮下に低結晶性炭酸アパタイト顆粒を埋植し,2,4,8,14週後に屠殺して,生体内での挙動を組織学的に検討した.炭酸アパタイト顆粒の粒径は経時的に小さくなり,生体内で吸収されることが明らかとなった.また,組織切片での検討により,炭酸アパタイトの生体内での吸収は破骨細胞によるものであることが明らかとなった. 低結晶性炭酸アパタイトのタンパク吸着能 タンパク溶液中に低結晶性炭酸アパタイト顆粒を浸漬し,上清中のタンパク濃度を測定して,タンパク吸着能を検討した,炭酸アパクイトはタンパクを吸着するものの,その吸着量はハイドロキシアパタイトの半分程度であった.炭酸アパタイトはアルブミンなどの中性タンパクの吸着能は低く,塩基性蛋白を吸着しやすい傾向がみられた,また,その吸着量は顆粒径に影響された. 間質系細胞との共培養によるエナメル芽細胞の増殖と分化 エナメル芽細胞と間質系細胞を共培養し,間質系細胞から分泌されるタンパクがエナメル芽細胞の増殖と分化に与える影響を検討した,間質系細胞としては,shhあるいはWnt5a遺伝子を導入したSwiss-3T3細胞を用いた.共培養により,エナメル芽細胞のコロニー数は増加し,中に小結節が形成された.エナメル芽細胞のRunx2の発現はWnt5aにより抑制され,Notchの発現はShhおよびWnt5aによって抑制されており,これらの形態形成タンパクがエナメル芽細胞の分化・増殖に関与していることが示唆された.
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