2009 Fiscal Year Annual Research Report
上皮-間葉移行に着眼した顎関節内障関節円板線維化の細胞生物学的病態解析
Project/Area Number |
21592536
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
藤田 茂之 Wakayama Medical University, 医学部, 教授 (50228996)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東條 格 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (70405439)
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Keywords | TNF-α / ルミカン / ファイブロモジュリン / 上皮-間葉移行 / α-smooth muscle action |
Research Abstract |
我々はヒト顎関節内障患者から採取した関節円板の培養株を増加させるべく、様々な臨床症例において採取の努力を継続している。また、多くの研究者らが報告するTumor necroting factot-α(TNF-α)が顎関節内障の顎関節滑液や滑膜に増加している事実、重度なヒト顎関節内障円板に正常な顎関節円板には存在しないα-smooth muscle actinが変形部位に集積すると報告がされている事実。胸部疾患の肺線維化において低酸素環境が組織の線維化を亢進させる事実、損傷うけた兎の角膜ではルミカンが存在しないと上皮-間葉移行が乱れるという報告等を元に、既に培養細胞株として樹立したヒト関節円板細胞を用いて、上皮-間葉移行の一端の解明を行うべく、アミノ酸配列が50%以上相同性を持ちコラーゲン線維の走行の乱れを修復、形成を調整するとされているルミカンおよびファイブロモジュリンが、IL-1添加の条件にてどの様に産生され変化するのかを検索した。その結果、培養を開始すると早期にルミカンが増加するのに対してファイブロモジュリンは変化しない事実をPCR等にて明確に確認した。また、摘出した重篤な顎関節内障患者の関節円板内に、この二種類のタンパクが変形の起った部位に局在する事実を認めた。更には、成熟ラットの顎関節円板組織では、ルミカンが関節周囲組織に局在するのに対してファイブロモジュリンは円板内に多く局在する事実が免疫組織染色で判明した。そこで、今後の研究は、1、発生および成熟過程においてこの二種類のタンパクが顎関節組織においてどの様な分布を示すのかラットを用いて検索する。2、ルミカンのノックアウトマウスを用いて、顎関節運動に加重付加をかけた場合、組織内のTNF-α、α-smooth muscle actinの分布がどの様に有意に変化するのかを検索し上皮-間葉移行の解明を行う予定である。
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Research Products
(4 results)