2011 Fiscal Year Annual Research Report
各種骨関連手術後の治癒期間短縮を目指したメラトニン療法の開発
Project/Area Number |
21592575
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
里村 一人 鶴見大学, 歯学部, 教授 (80243715)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
舘原 誠晃 鶴見大学, 歯学部, 助教 (90380089)
徳山 麗子 鶴見大学, 歯学部, 助教 (20380090)
山本 英雄 鶴見大学, 歯学部, 講師 (10220493)
服部 淳彦 東京医科歯科大学, 教養部, 教授 (70183910)
橘 竜佑 鶴見大学, 歯学部, 臨床助手 (80514926)
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Keywords | メラトニン / 骨組織再生 / 骨折治癒 / 歯の再生 / インプラント / メラトニン受容体 |
Research Abstract |
これまでにわれわれは、概日リズム調節ホルモンであるメラトニンがヒト骨芽細胞に作用し、その増殖を促進するとともに分化を濃度依存的に促進すること、さらには薬理学的濃度のメラトニンがマウスの骨格成長を促進させることを明らかにしてきた。このことを踏まえ、本研究においてはメラトニンの骨芽細胞に対する分化促進作用および生体内における骨形成促進作用を積極的に利用することにより骨折の治癒期間や各種骨関連手術後の治癒期間の短縮を目指した。まず、ICRマウスの右側第8肋骨を外科的に骨折させ、骨折後1日目より4週間にわたり種々の濃度のメラトニンを腹腔内投与した。投与開始から1,2,3,4週目に骨折部を含む肋骨を採取し、組織学的固定を行い、骨折部の治癒の進行状況をマイクロCTにて検討した結果、少なくとも100mg/kg body weightの投与量においては、骨折部の治癒が約1週間促進されている傾向が認められた。さらにこれらのマウスにおいて体重変化などの明らかな副作用は認められず、また、主要臓器においても明らかな異常所見は認められなかった。また、各種歯原性細胞に対しては、メラトニンはその増殖には明らかな影響を及ぼさなかった。また、分化に対しても明らかな影響は認められなかった。しかし、歯胚組織においては、各種歯原性細胞にメラトニン受容体の発現が認められ、メラトニンがこれら歯原性細胞に何らかの影響があることが示唆された。また、チタン製インプラント体のosseointegrationの獲得に対する影響について、ラット脛骨にインプラントを埋入し、100mg/kg body weightのメラトニンを4週間腹腔内投与し、加えて局所的にFGF-2を5日間投与したところ、コントロール群と比較して、メラトニンおよびFGF-2投与群ではインプラント周囲の骨形成が明らかに促進され、メラトニンがチタン製インプラント体のosseointegrationを促進する可能性が示唆された。以上のように、本研究結果から、メラトニンは各種骨関連手術後の治癒期間を短縮できる可能性が示唆された。
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Research Products
(2 results)