2009 Fiscal Year Annual Research Report
TGF-β/Smad3シグナル経路を介した創傷治癒における瘢痕形成抑制法の検討
Project/Area Number |
21592597
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
田中 栄二 The University of Tokushima, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (40273693)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木内 奈央 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (30457329)
川合 暢彦 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (40437588)
近藤 優子 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 医員 (70380095)
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Keywords | 創傷治癒 / 口蓋粘膜 / Smad3 / 瘢痕形成 / siRNA |
Research Abstract |
口唇口蓋裂患者の上顎骨の劣成長の原因となる口蓋の創傷治癒過程における瘢痕形成のメカニズムの解明と、その抑制を遺伝子レベルで図ることを目的として、成長因子TGF-βとその細胞内シグナル分子であるSmad3に着目した実験を行った。.結果として、(1)マウス末梢血由来のfibrocyteの培養実験系を確立した、(2)Smad3ノックアウトマウス由来のfibrocyteにTGF-β1を加えて、筋線維芽細胞に分化させた場合、Smad3シグナル経路が強く関与し、分化速度を有意に亢進した、(3)Smad3ノックアウトマウスの口蓋粘膜に創傷を作成した場合、その治癒速度がワイルドタイプマウスと比較して有意に亢進し、創傷部の粘膜による閉鎖が早期に生じることによって瘢痕形成が抑えられた。以上の結果から、TGF-β/Smad3シグナル経路が創傷治癒過程においてきわめて重要な役割を果たしていることが明らかとなったことより、Smad3を標的遺伝子としたsiRNA創薬が創傷の治癒促進効果および瘢痕形成抑制効果を有する優れた医療技術開発につながるものと考えられた。また、口蓋裂患者の口唇形成および口蓋形成術後の治癒促進を想定し、ワイルドタイプマウスの口蓋粘膜に創傷を作成し、Smad3のsiRNAの口蓋粘膜への局所投与を行い、その創傷治癒促進効果と瘢痕形成抑制効果についての検索を開始している。
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Research Products
(2 results)