2010 Fiscal Year Annual Research Report
口唇口蓋裂患者の咬合評価は顎顔面成長を予測できるか
Project/Area Number |
21592598
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
鈴木 陽 九州大学, 大学病院, 講師 (20037542)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹之下 康治 九州大学, 歯学部, 准教授 (50117157)
窪田 泰孝 九州大学, 大学病院, 講師 (60205151)
笹栗 正明 九州大学, 大学病院, 准助教 (00225898)
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Keywords | 口唇裂口蓋裂 / 顎顔面成長 / 頭部X線規格写真 / 経年的研究 |
Research Abstract |
口唇口蓋裂患者の顎顔面発育に関し乳幼児から成人期までの経年的研究は皆無である。口唇・口蓋形成術時に頭部X線規格写真撮影を行い、その成人における顎顔面形態との関連性の関する研究を行った。 [対象]本院で初回形成術を施行した患者で、口唇形成術時(T1)、口蓋形成術時(T2)、15歳以上(T5)の頭部X線規格写真が確認できた59例(裂型はUCLA, U/B-CLP, CP)である。側面X線規格写真をトレースし、24計測点の座標をタブレット入力し、顎顔面形態について頭蓋底・上顎骨の10項目と下顎骨8項目の変数を得た。 【結果】0歳(T1)での顎顔面形態の特徴は成人(T5)まで維持されてなかった。一方、0歳での顎顔面形態の特徴は4歳まで維持されるとの報告もあり、幼児期以降の各個体の顎顔面成長の相違や矯正・形成治療が、顎顔面成長発育に影響を及ぼす可能性があると考えられた。(1)頭蓋底は0歳時(T1)では3群間に差はなかったが、成人期(T5)ではCPが有意に小さかった。後頭蓋底長でも同様であった。(2)中顔面前方高径N-ANSは、4群で同様な変化を示した。BCLPはT1で有意に大きく、T2では同様な傾向があり、成人期(T5)でも大きかった。(3)中顔面後方高径S-PNSは、T1で差がないが、T2でCPが顎裂のある2群より有意に大きかった。成人期では、UCLPはUCLAより有意に小さく、CPと比較しても小さかった。(4)口蓋長径ANS-PNSは、T1,T2でUCLPがUCLAより短く、T5でも同じ傾向にあった。CPはT5で最も小さく、特にUCLAとの間で有意差を示した。(5)下顎は、T1でUCLAがUCLP・BCLPより大きかったが、成長とともに差はなくなった。
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