2011 Fiscal Year Annual Research Report
古細菌シャペロニン分子の交差反応性と歯周病ならびに自己免疫疾患への関与
Project/Area Number |
21592624
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
前田 博史 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (00274001)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高柴 正悟 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (50226768)
苔口 進 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (10144776)
谷本 一郎 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (00280686)
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Keywords | 古細菌 / Methanobrevibacter oralis / シャペロニン / 歯周病 / 自己免疫応答 / CCT |
Research Abstract |
古細菌シャペロニン(Cpn)とヒトグループIIシャペロニン(CCT)の交差反応性から、古細菌感染と歯周病、さらに自己免疫疾患との関連性を明かにすることを最終的な研究目標とし、平成23年度は以下の研究内容を遂行した。 1.ヒトCCTならびに古細菌M.oralisCpn組み換え蛋白質の構築 コールドショック蛋白質発現システムならびに小麦胚芽無細胞蛋白質発現システムを応用して、CCT3、CCT4、CCT8ならびにM.oralis Cpnの組み換え蛋白質を構築した。さらに、構築した組み換え蛋白質の精製を行った。 2.組み換えグループIIシャペロニンに対する患者血清の反応性の解析 組み換え蛋白質を構築したヒトCCT3、4、8ならびにM.oralis Cpnに加えて、市販されているヒトCCT1、CCT5ならびにCCT6に対する患者血清の反応をウエスタンブロット法で調べた。血清については、重度歯周病患者ならびに、リウマチ、シェーグレン症候群などの自己免疫疾患を保有する患者から調整した。 各グループIIシャペロニンに対する患者血清の反応性を調べた結果、CCT1、CCT3ならびにCCT5については、患者血清ならびに対照とした健常者血清のほとんどが反応性を示さなかった。これに対して、M.oralisのCpnに対しては、歯周病患者ならびに自己免疫疾患患者の半数以上が反応性を示す結果となった。また、CCT4、CCT6、そしてCCT8に対しては約2割の患者血清が強い反応性を示す結果となった。 3.ヒトCCTのTHP-1細胞のシグナル伝達系に与える影響 THP-1細胞をヒトCCT4で刺激し、シグナル伝達系に与える影響を調べた。その結果Erkのリン酸化が誘導されていることが明かとなった。 以上の結果からヒトCCTに対する自己免疫応答が歯周病患者、ならびに自己免疫応答患者に誘導されている事が示唆された
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