2011 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロデバイスを用いたカルプロテクチン測定による歯周病診断法の開発
Project/Area Number |
21592625
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
木戸 淳一 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (10195315)
|
Keywords | マイクロデバイス / カルプロテクチン / 歯肉溝滲出液 / 歯周病診断 |
Research Abstract |
平成21年度と22年度の研究においてマイクロチップを用いたELISA法により,市販のELISA法と同じ濃度範囲のカルプロテクチン標準蛋白および歯肉溝滲出液(GCF)中のカルプロテクチンの測定が可能となった。しかしながら,測定には約2時間がかかり,臨床現場での使用を考えると更なる測定時間の短縮が必要となった。そこで,本年度は1次抗体のマイクロチップ上での吐出に,ピエゾ素子駆動のインクジェットノズルを用いてマイクロチップ流路上に約50μm径の抗体液球を形成し,その場でELISへ反応を行った。この改良により1次抗体の固相化後の測定時間は15-20分間に短縮された。測定に使用するGCF量も市販のELISAキットの場合と比較して約1/50量となり,2次抗体やその他の使用試薬の使用料も減少させることができた。この方法を用いて,合理的なカルプロテクチンの標準曲線が得られ,GCFサンプルについても健常部位および歯周病部位から採取したGCF中のカルプロテクチンを測定した結果,歯周炎の程度に相応したカルプロテクチン値が得らた。さらに,同じGCFサンプルを市販キットおよびマイクロチップELISA法で測定した結果,その測定値に有意な差は認められなかった。これらの結果から,インクジェット法とマイクロチップELISA法を用いた測定法により,短時間で,GCF中の微量なカルプロテクチンの測定が可能となった。現在,これらの結果を査読精度のある欧米雑誌に投稿中である。また,本研究の実施過程で,GCF中のカルプロテクチンレベルが,歯周炎ばかりでなく糖尿病や糖尿病関連歯周炎被験者のGCFサンプル中でも有意に高いことが判明し,今後,GCF中のカルプロテクチンの測定は,歯周炎ばかりでなく,糖尿病の診断にも応用できる可能性が考えられる。
|
Research Products
(4 results)