2009 Fiscal Year Annual Research Report
顎口腔サルコペニアに対する赤外線サーモグラフィー画像評価システムの開発
Project/Area Number |
21592665
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
小松崎 明 The Nippon Dental University, 新潟生命歯学部, 准教授 (60256980)
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Keywords | 赤外線サーモグラフィー / 頬部体温 / 筋機能 / 冷却負荷 / ガム咀嚼 / 血行促進 / 要介護者 |
Research Abstract |
研究初年度にあたり、試験測定システム構築に必要な基礎データの収集と、測定に必要なハードウェア、ソフトウェア環境の整備を実施した。 1)、咬筋など支持組織の機能量を体温変化として捉えることが可能か検証するため、健常成人6名を対象に、冷却負荷やガム咀嚼時などの異なる測定条件下で、赤外線サーモグラフィー(Thermo Shot F30S : NEC Avio社)を使用して経時的に頬部体温を測定し基礎データを得た。その結果、冷却負荷後の体温回復率が、安静時よりガム咀嚼時に高くなることが確認でき、口腔機能量を評価可能であるとの示唆が得られた。 2)、測定点に関する検討については、冷却負荷時の基礎データの分析から、眼耳平面より下部の皮膚面を評価対象領域とした。ただし、ガム咀嚼時に頸部体温の上昇も認められたことから、頸部や側頭部など、周囲領域の測定も対照として把握することとした。また、これら検討から、各筋肉の栄養動脈の位置や、頬部の脂肪量が体温変化に影響していることが示唆された。 3)、要介護者等に実施される唾液腺マッサージを想定し、頬部マッサージ前後に施術部の体温を測定したところ、局所の血行促進によると思われる体温上昇が確認できた。また、食事前後での測定結果の比較から食後では体温上昇が確認できたが、体温が低下した例も認められた。 4)、熱画像および温度情報に加えて、体温の経時的変化をデジタル画像として記録可能なようシステムに改良を加えた。 これら結果をふまえ、要介護者での評価を想定した試験測定システムを構築した。
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