2010 Fiscal Year Annual Research Report
顎口腔サルコペニアに対する赤外線サーモグラフィー画像評価システムの開発
Project/Area Number |
21592665
|
Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
小松崎 明 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 准教授 (60256980)
|
Keywords | 老化 / 介護予防 / 筋機能 / 冷却負荷 / ガム咀嚼 / 体温上昇 / 要介護者 |
Research Abstract |
研究2年目として、実際に応用を想定する高齢者や要介護者を対象者として、試験測定システムを発展させた本測定システムでの評価を実施し、その分析結果からサルコペニア評価指標としての有効性を検証した。また、ソフトウエアのイメージ評価方法の改善について検討した。 今年度に得られた主な研究実績は以下のようである。 1、要介護者の顔面部皮膚体温の分布を検討した結果、咬筋相当部の皮膚、側頭部に周囲より1℃前後高温の部分が認められた。この温度分布の傾向から、顔面上の測定点を決定した。また、冷却負荷を片側頬部に実施したところ、体温の回復は咬筋の栄養血管周囲から広がる傾向が観察できた。これまでの測定結果から、冷却負荷法を想定した測定レンジの設定については(22.0-32.0-42.0℃)で実施することとした。また、冷却負荷後5分間の体温回復率でみた場合には、個人差が最大となっていた。再現性の検討については、要介護者6名の2回の測定結果の比較から実施し、測定値間に有意差は認められず、再現性が確認できた。 2、介護老人保健施設入所者19名を対象として、安静時と唾液腺マッサージ実施前後での顔面皮膚温度の比較を実施した。その結果、19名全員で唾液腺マッサージ後に血行促進によると思われる体温上昇(1.78℃)が確認でき、そのうち片麻痺のある要介護者4名については、健常側に比べ麻痺側で体温の上昇幅が小さい(平均-0.9℃)傾向が確認できた。このことから麻痺に伴うサルコペニアの評価を、顔面皮膚温測定から間接的に実施できる可能性が示された。 これらから、サルコペニアの評価が赤外線サーモグラフィーで実施可能であることが検証できた。
|