2009 Fiscal Year Annual Research Report
豪雪地帯の応急仮設住宅で生活した高齢被災者の身体機能とストレス~5年継続評価
Project/Area Number |
21592688
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
齋藤 君枝 Niigata University, 医歯学系, 准教授 (80274059)
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Keywords | 看護学 / 災害 / 高齢者 |
Research Abstract |
本年度は,応急仮設住宅生活経験のある高齢被災者の身体機能とストレスを定量的に測定し,身体変化とストレスに関連する要因や特徴を分析した。また,高齢被災者の応急仮設住宅入居と再建,退去後のコミュニティにおける生活について,文化と生活環境を捉えるため面接調査を行った。1身体機能評価…中越地震被災地A地区において,応急仮設住宅退去約1年8か月後の平成21年8月,2年3か月後の平成22年3月に,中越沖地震被災地B村においては応急仮設住宅居住中の平成21年4月から6月に,同意の得られた高齢被災者計21名に実施した。A地区の70代女性における体組成の経時的変化では,応急仮設住宅入居時より退去後で筋肉率や体脂肪率の季節変動がより大きく,65歳以上女性6名の平均値では冬季の筋肉率低下及び握力低下が見られ,身体変化に活動量や生活様式が影響すると考えられた。2生活変化め質的分析…A地区では平成21年8月および平成22年3月に,B村では平成21年7月に,応急仮設住宅生活経験のある高齢被災者計11名を対象に,災害や応急仮設住宅入居,退去後の生活状況や自身への影響について半構造化面接による調査を実施した。入居中は,社会福祉サービスを受けながらの生活維持や生活リズムの変化と特に居住空間の狭さに対する我慢,震災前の趣味や交流の機会と意欲の消失,を体験していた。退去後は,帰村後の体調変化に対するショック,新しい家や生活空間に慣れるまで要する時間,うまく管理できていたことに度々経験する失敗,身内の助けを借りた必死の対処,身体を動かすことに感じる価値,主体的に持ち続ける故郷とのつながり,といった概念が抽出された。
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Research Products
(1 results)