2011 Fiscal Year Annual Research Report
背部温罨法による上肢の皮膚温上昇に影響を及ぼす知覚神経、交感神経系の基礎研究
Project/Area Number |
21592708
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
塚越 みどり 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (60405016)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
船越 健悟 横浜市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60291572)
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Keywords | 温罨法 / 皮膚温 / 皮膚血流 |
Research Abstract |
本研究は60℃の背部温罨法による体幹、上肢皮膚温、指尖部皮膚血流の変化について検討し、温罨法が影響を及ぼす範囲を明らかにすることを目指している。本年度は、19-24歳の健康な女性21名に実験群(温罨法あり)と対象群(温罨法なし)を設け、60℃の背部温罨法を行った。仰臥位で臥床後、背部温罨法を10分間実施した後、30分間臥床した。指尖皮膚血流、背部、後頸部、前胸部、上腕、前腕、手掌、手背、指尖の皮膚温を測定したところ、指尖部皮膚血流は、罨法7分に最高値に達し、実施前の1.5倍、罨法後30分は1.3倍となった。実施前からの血流変化率は、罨法10分、罨法後30分のいずれも実験群が高く、有意差があった。皮膚温は罨法中に背部で実施前の2.85℃上昇するが、罨法後は0.9℃まで低下した。上肢では手の皮膚温が最も変化し、指尖は罨法中に約1℃上昇し、手掌、手背は罨法後に1℃上昇した。前腕、上腕、前胸部は手の皮膚温ほどではないが、終了後も徐々に上昇した。罨法10分の時点で実施前から上昇した皮膚温は、背部、後頸部、前胸部、手掌、指尖の5部位で実験群が対照群より高く、有意差があった。罨法終了後30分の時点で上昇した皮膚温は、前胸部、手掌、指尖の3部位で実験群が対象群より高く、有意差があった。身体のなかで温かく感じる部位は、罨法中は背部、罨法後は手であった。これらの結果から、指尖皮膚温の上昇、血流の増加は、皮膚交感神経活動の抑制、皮膚動静脈吻合の開大によって迅速に出現し、罨法後30分においても持続する。60℃背部温罨法は、手の皮膚温も上昇させ、実施後は手の温かさをもたらすことがわかった。さらに、ラット手掌から星状神経節に投射する神経細胞を逆行性標識にて確認し、上肢皮膚血流に関与していることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)