2010 Fiscal Year Annual Research Report
手術を受ける高齢者の睡眠・覚醒リズムの変化に関する研究
Project/Area Number |
21592709
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Research Institution | Fukui Prefectural University |
Principal Investigator |
有田 広美 福井県立大学, 看護福祉学部, 准教 (30336599)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤本 悦子 名古屋大学, 医学部, 教授 (00107947)
小林 宏光 石川県立看護大学, 教授 (20225535)
大島 千佳 名古屋大学, 医学部, 講師 (30405063)
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Keywords | 高齢者 / 周術期 / 睡眠・覚醒リズム / アクチグラム |
Research Abstract |
本研究は、手術を受ける高齢者の睡眠・覚醒リズムの変化を明らかにすることを目的としている。平成22年度は、地域で生活する健康な高齢者の睡眠覚醒リズムを把握するために調査を行った。65歳以上で睡眠障害がなく睡眠剤を使用していない者、睡眠の主観的評価に回答できる者25名を対象に、5日間のアクチグラフ装着による睡眠・覚醒パターンの測定、ピッツバーグ睡眠質問票、毎日の睡眠感を測るものとしてOSA睡眠調査票を記載してもらった。結果、対象者の平均年齢は74.5歳(67-87歳)、男性15名(平均75.5歳)、女性10名(平均71.8歳)であった。総睡眠時間は462.0分(312.8-623.25分)、睡眠効率は92.6%(73.0-98.2%)、入眠潜時は9.8分(4-31分)、中途覚醒は3.4回(1.3-8回)であった。性別で見ると、総睡眠時間の平均は男性で462.5分、女性は461.0分であった。睡眠効率は男性は92.6%、女性は92.5%、入眠潜時は男性7.6分、女性15分、中途覚醒は男性3.4回、女性も3.5回であった。日中の平均身体活動数は男性182.9回/分、女性は227.3回/分であった。日中の睡眠時間は、男性81.1分、女性35.6分であった。性別で比較したところ、日中の平均身体活動数のみ女性の方が有意に多かった。75歳未満と75歳以上の2群で比較したところ年齢による有意差は見られなかった。睡眠覚醒リズムは個人によって差がある傾向がみられたが、ほとんどの対象者は睡眠の質をかなり良いと評価していた。しかし、睡眠の質を悪いと評価した2名の男性対象者は睡眠効率は低くないものの昼寝をしていた。男性対象者の4割が習慣的に昼寝をしていたが、女性は日中の身体活動量が多かったことから女性の方が家庭内役割を持ち睡眠覚醒リズムにメリハリがあるのではないかと思われる。今後は、臨床施設を検討し、入院高齢者を対象に調査する予定である。
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