2010 Fiscal Year Annual Research Report
睡眠周期測定による術後譫妄発症予測尺度の開発に関する研究
Project/Area Number |
21592762
|
Research Institution | Aomori University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
坂本 祐子 青森県立保健大学, 健康科学部, 講師 (20333982)
|
Keywords | 術後譫妄 / 高齢者看護 / 周手術期看護 / 睡眠測定 |
Research Abstract |
本年度は,(1)前年度に引き続き整形外科疾患で手術を受ける高齢者を対象とした睡眠測定,(2)術後譫妄予測尺度項目の選定を目的に整形外科病棟看護師を対象とした質問紙調査を実施した。 (1)睡眠測定の対象者は,16名(男性2名,女性14名),平均年齢82.4±7.5歳,疾患は骨折10名,変形性疾患6名であった。術後譫妄は,人工骨頭置換術1名,人工膝関節置換術3名,計4名に発症している。術後譫妄非発症者は2~3時間毎に睡眠・覚醒を繰り返し,対象により睡眠時間の差は大きいが,個人の5日間の睡眠時間・パターンの変動は少ない。一方,術後譫妄を発症した患者は5日間の変動は顕著であった。術後2・3日目にせん妄を発症した3名は,術当日から発症日まで食事やケアの時間帯以外は終日睡眠状態を示していた。術当日から不穏が見られた1名は,術当夜から30分から2時間の短い周期で睡眠・覚醒を繰り返していた。これらの結果から,術後当日からの睡眠・覚醒「時間」「サイクル」について予測尺度の項目化を図る。 (2)国内外の先行研究より術後譫妄の発症要因を基に,基本属性・術前要因・手術侵襲・術後要因100項目からなる質問紙を作成し,13医療機関の整形外科病棟看護師280名を対象にアンケート調査を実施した。看護師が術後せん妄の発症を予測する要因として,「施設入所者」「脳血管障害の既往」「認知症」「神経質」「落ち着きがない」など基本属性11項目,「膀胱留置カテーテルの挿入」「術前の睡眠障害」など術前要因9項目,「カテーテルを気にする」「術後不眠の訴え」など術後要因9項目,計28項目が抽出された。「電解質異常」「血糖値」「出血量/輸血」等の「手術侵襲」に関連する項目は抽出されていない。項目数の精錬と,「落ち着きがない」など評価者により個人差が生じやすく数量評価が困難な項目の評価法が課題となる。
|
Research Products
(2 results)