2011 Fiscal Year Annual Research Report
多部門連携チームアプローチによる胃切除術後患者に対する栄養指導の検討
Project/Area Number |
21592787
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Research Institution | Shizuoka Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
北村 有子 静岡県立静岡がんセンター(研究所), 患者・家族支援研究部, 主任研究員 (10364035)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲野 利美 静岡県立静岡がんセンター(研究所), 栄養室, 室長 (70507384)
石川 睦弓 静岡県立静岡がんセンター(研究所), 患者・家族支援研究部, 部長 (90324516)
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Keywords | 癌 / 栄養学 / 医療・福祉 |
Research Abstract |
本研究は、胃切除術後患者の体重増加の変遷の実態を明らかにし、臨床の栄養指導の検討と実践に活かしていくことを目的としている。体重増加のためには、患者・家族が患者自身の食事摂取量と体重の変化を判断し、自律的に調整することが最も重要であると考える。 栄養士、病棟看護師と共に、体重変化と食事のポイントをまとめた、A4判一枚のリーフレットを試作した。これまでの分析で、術後半年までの体重減少率を小さくすることが有効と考えられ、療養経過時期に沿って理解しやすいよう「退院~術後1ヶ月」「術後1ヶ月~術後6ヶ月」の2つを作成した。 また、病院に寄せられる相談だけでなく、患者・家族の食事に関する悩みを広く把握するため、地域で開催される、胃がん術後の患者・家族を対象にした会(栄養士の講話、会食と交流)の企画開催に携わった。会食形式は、患者・家族の発言内容だけでなく、実際にどのような料理を選択しているかや、食べ方の情報が得られる利点がある。患者・家族は、一度上手くいかないと以後それを避けがちであるが、栄養士からアドバイスをもらうことで、上手くいかなかったのはなぜか、また試してみようという変化がみられた。これらから、患者・家族が食事摂取に関する情報と自分自身の状況を統合して判断し、対処法が見出せるような情報内容に整えて提供する必要があると考えた。 具体的な術後症状と対処のまとめ方については、医師、看護師、栄養士の多職種カンファレンスで検討し、術式・再建方法別の情報提供がよいと考えられた。本研究を進めるにしたがい、多職種、地域の視点を広く取り入れて検討できたが、情報に関しては、定期的に見直しをする必要があり、今回の研究実績をもとに、よりよい情報提供に役立てる。
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