2011 Fiscal Year Annual Research Report
医療的ケアを必要とする小児の親の在宅療養への意思決定過程と影響要因
Project/Area Number |
21592792
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
金泉 志保美 群馬大学, 大学院・保健学研究科, 講師 (60398526)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牛久保 美津子 群馬大学, 大学院・保健学研究科, 教授 (90213412)
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Keywords | 小児看護 / 在宅ケア / 意思決定 / 親 |
Research Abstract |
医療的ケアを必要とする小児の親が在宅養育を選択し意思決定する過程およびその影響要因を明らかにすることを目的とし、2010~2011年度に行った、両親11名(両親5組、母親1名)への半構成的面接のデータを質的帰納的に分析し、カテゴリ間の関係を検討した。分析は対象を母親と父親とに分けて行った。以下、【 】はカテゴリ、< >はサブカテゴリを示す。 母親6名の分析結果として、6名のうち、5名は早い時期から【家に連れて帰りたい】思いを抱いており、【家族で過ごしたい】【家で過ごすのが当たり前】【家族が分離しないためには必要】といった認識がその土台となっていた。1名は【家に連れて帰りたくない】という思いを抱いており、その背景には<児の障害を受け入れられない>ことが示された。また、ほとんどのケースにみられたのが、【生命の危機への不安】【児の安全のためには病院が安心】【気持ちの葛藤や揺れ】【施設に入れるのは嫌】【施設という選択肢を受け入れようとする】で示される葛藤と、【漠然とした不安】【想像がつかない】【在宅後を想像しての不安】【きょうだい児に関する不安】【在宅後の健康管理に対する不安】【自信が持てない】【経済的な不安】で示される不安であった。その後、【家に帰るしかない】【ケアの自信がつく】等の段階を経て、全てのケースで、【児の状態を受け入れる】あるいは【児に対して感じる愛情】のいずれかまたは両方が示され、最終的には、【やってみよう】【大丈夫そう】【生命の危険を覚悟する】のいずれかに帰着して在宅の選択へ至っていた。その過程に影響している要因として、【児の反応や発達への喜び】【自分の意思決定を支持される】【きょうだいの前向きな反応】【医療者からの促し】【在宅生活の実際を知る体験】等の13カテゴリが関与していた。 父親を対象としたデータについて、現在最終的な分析を行っている。
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Research Products
(1 results)