2010 Fiscal Year Annual Research Report
在宅認知症高齢者の急変時対応に関するリスク管理モデルの開発
Project/Area Number |
21592935
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Research Institution | Kawasaki University of Medical Welfare |
Principal Investigator |
松本 啓子 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 准教授 (70249556)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森戸 雅子 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 講師 (50389029)
名越 恵美 福山平成大学, 看護学部, 准教授 (20341141)
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Keywords | 認知症高齢者 / 在宅介護 / 急変時対応 / リスク管理 |
Research Abstract |
家族介護者の負担には、心理的ストレスや自身の生活への支障、将来の見通しに対する不透明感などの介護負担に加え、被介護者の介護場面における容態急変時等を含めた医学的判断が求められる場面への遭遇が知られている。また、被介護者の現在の疾患に加えて、更なる発病やそれらに伴う障害、突発的な事故が起こり、医療依存度が増大した場合、または新たに加わった場合、家族による在宅介護は忽ち成り立たなくなる。そこで、平成22年度には、認知症高齢者とその家族介護者を中心に、急変時対応に関する思いを調査した。実情を明らかにする報告が稀有である現在、認知症高齢者の急変時の対応をあらゆる角度から現象を含めた現状を調査する意味は非常に大きい。また更に介護施設に焦点を当て、そこでの認知症高齢者の急変時対応について調査を行った。現在は統計処理中であるが、急変時対応と症状等との関連が明らかになってゆくと考える。以下、家族側の意識調査の結果を示す。 急変時対応の経験を有しない,家族介護者の思いとして,4カテゴリー〈娘がいるので安心〉〈有事の対応の認識〉〈命の危険なら救急ヘリコプター〉〈思うようにならないのが認知症の症状〉が抽出された.「急変については娘がいるから…どうにかなるかなっと思っている」等と語ることで介護している夫に何か不測の事態が生じた場合でも娘が頼りになると考えていると語っていた.また,「命にかかわることなら・・・救急ヘリコプターが来るし」等と,よっぽど緊急を要する事態であれば救急ヘリコプターが来るシステムであることを語った. 在宅認知症高齢者の家族介護者の急変時対応に関する思いについては,認知症症状は思うようにならないと認識しているが,いざという時に頼める人材の確保と非常時の重症度による対応手段のイメージ化をしていることが明らかとなった.しかし,具体的な症状やその結果生じるかもしれない葛藤などまでは語られなかった.
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Research Products
(18 results)