2009 Fiscal Year Annual Research Report
小児の睡眠障害、問題行動、胃食道酸逆流および顎口腔機能異常の関連性の解明
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21610016
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
坂口 勝義 Kagoshima University, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (80381185)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮脇 正一 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (80295807)
永田 順子 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (50264429)
大牟禮 治人 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (00404484)
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Keywords | 問題行動 / 睡眠障害 / 睡眠時無呼吸症候群 / GERD / GSRS / 顎口腔機能異常 |
Research Abstract |
【目的】本研究では、若年者における問題行動と睡眠障害やGERDとの相互関連について検討した。 【対象と方法】鹿児島市内の小学校の児童、4246(女児:2125名,男児:2121名)と中学生1841名(男子:896名、女子:945名)およびその保護者を対象とし、無記名式の質問紙調査を行った。先天異常を有する者ならびに3か月以内に通院、服薬の既往のある者は除外した。問題行動についてはPSC(日本語版)、消化器症状についてはFSSGおよびGSRSで、また耳鼻咽喉症状についてはその有無をそれぞれ調べた。得られた結果からPSCの合計値17以上を問題障害群、それ未満を正常群とし、睡眠障害と胃腸消化器症状について統計学的に比較ならびに回帰分析を行った。 【結果】問題行動は対象の20%に認められ、正常群と比べ、睡眠障害、GERD症状ともに有意に多く認められた。問題行動群では就寝時間は遅く、入眠に要する時間は長く、FSSG、GSRSの値は共に高かった。また朝食の欠食が多く、夕食後の家族間の会話が短く、睡眠中の歯ぎしり、食いしばりが多かった。これらの項目の問題行動に対するオッズ比は1.029~2.996であった。 【考察】問題行動群では就寝時間の遅延化、入眠障害、睡眠時の歯ぎしり・食いしばりなどの睡眠障害が見られるとともに、朝食の欠食、夕食時の会話の短縮など生活習慣の乱れ、家族間のコミュニケーション不足が示唆された。またFSSG、GSRSの結果からGERD症状とQOLの低下が示唆された。以上から問題行動には睡眠および生活環境が密接に関連することが示唆された。 【結論】小・中学生において問題行動と睡眠障害、消化器症状との間には関連があることが示唆された。
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Research Products
(9 results)