2010 Fiscal Year Annual Research Report
小児の睡眠障害、問題行動、胃食道酸逆流および顎口腔機能異常の関連性の解明
Project/Area Number |
21610016
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
坂口 勝義 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 助教 (80381185)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮脇 正一 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 教授 (80295807)
大牟禮 治人 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 講師 (00404484)
永山 邦宏 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (60583458)
植田 紘貴 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (10583445)
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Keywords | 問題行動 / 小児 / 睡眠時ブラキシズム / 胃食道逆流 / GERD |
Research Abstract |
近年、小・中学生において問題行動が多くみられることが社会的問題となっている。一方、小・中学生の睡眠環境は様々な原因で悪化し、睡眠障害を引き起こしていると言われている。睡眠障害の原因のひとつに睡眠時の覚醒をしばしば生じさせ、睡眠時無呼吸症候群とも関連する胃食道逆流症(GERD)が考えられている。本研究では、これらの関連性を調べるため、小・中学生を対象に問題行動、睡眠障害、GERD症状などに関する調査を行った。鹿児島市内の小学校および中学校の生徒、6087名(男子3017名、女子3070名、年齢6歳-15歳)とその保護者を対象とし、無記名式の質問紙調査を行った。問題行動(Pediatric Symptoms Checklist)、睡眠および生活環境、GERD症状(Frequency Scale for the Symptoms of GERDおよびGastrointestinal Symptom Rating Scale)を調べた。PSCを基準に問題行動群と正常群に分け、比較を行い、さらに問題行動に関する因子を調べるため、睡眠・生活環境、GERD症状についてオッズ比を算出した。その結果、問題行動は全生徒の14%に認められ、男子生徒に有意に多かった。問題行動群ではGERD症状、睡眠に関する障害がともに有意に多く認められた。問題行動群では、朝食の欠食、夕食時に家族がそろわない、夕食後の家族間の会話が短い、睡眠中の歯ぎしり、くいしばりなどの特徴がみられた。これらのオッズ比は1.02-2.85であった。これらから小・中学生では、全体の14%に問題行動が見られ、女子に比べて男子生徒に多かった。問題行動には食事習慣、睡眠中の歯ぎしり・くいしばりなどの異常機能、GERD症状の関与する可能性が示唆された。以上の研究内容の一部を鹿児島県歯科医師会報に掲載し、かつこれまでの成果を国際誌に投稿中である。
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