2010 Fiscal Year Annual Research Report
デンプン高生産性のウキクサ類を用いた食料非競合型のバイオエタノール生産
Project/Area Number |
21612004
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
森 一博 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 准教授 (90294040)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 靖浩 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 助教 (50377587)
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Keywords | ウキクサ / デンプン / バイオエタノール / 食料非競合 / 環境水 |
Research Abstract |
ウキクサ類の水生植物は,生長が速く高いバイオマス生産能力を持つ一方,環境条件が生育に適さなくなると休眠体になりデンプンを蓄積することが知られる。本研究は,高い増殖能とデンプン生産能をもつウキクサ類を用いた栄養塩除去を兼ねたバイオエタノール生産を行い,我が国を含めた広くアジア域での食料非競合型のバイオエタノール生産に資することを目的に,1有用植物株の探索,2バイオマス生産条件の解明,3デンプン誘導条件の解明,4ウキクサ類バイオマス由来デンプン糖化条件の検討,5エタノール生産への適用性の検討,6システムの効率化と実用性評価を行う。本年度は,これまでに野外採取等により取得した6株のミジンコウキクサについて,生育並びにデンプン生産特性,酸糖化処理の検討を行った。その結果,概して生育には高栄養塩濃度,25℃~35℃, 15000lux以上の照度などの条件が,また,穀物に匹敵するデンプン含有量を示すturionの誘導には低栄養塩濃度条件がそれぞれ適していた。しかし,株によって生育やturion形成の至的条件や環境応答が異なることが明らかとなった。続いて酸による糖化処理を検討した結果,15分程度の短時間でほぼ100%の効率的な糖化が確認された。これまでに得られた結果より,年間のデンプン収量並びにこれを原料としたエタノール生産収量を温帯や熱帯域で環境条件で予測したところ,株ごとの収量に倍以上の大きな差が見られ,栽培環境に適した株を選択することの重要性が示された。
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Research Products
(2 results)