2011 Fiscal Year Annual Research Report
機能的MRIと拡散テンソル画像を用いた脳領域間連結性についての研究
Project/Area Number |
21613002
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
飯高 哲也 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (70324366)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中井 敏晴 国立長寿医療センター, 長寿医療工学研究部, 室長 (30344170)
|
Keywords | fMRI / DTI / 白質 / 線維連絡 / 脳賦活検査 / 高次脳機能 / 社会脳 / 自閉症 |
Research Abstract |
本研究課題では機能的磁気共鳴画像(fMRI)による脳賦活検査と拡散テンソル画像(DTI)を用いて、脳機能と各脳領域間の線維束結合について調べた。すなわち脳賦活検査により特定の課題に関連する脳領域を探し、次いでその領域間を結ぶ線維連絡についてDTIを用いて検討するのである。さらにその線維連絡の体積などの計測値と、被験者の課題成績や同時に行った質問紙得点などとの関連性を調べた。3年間の研究期間で、健常者30名に対して実験を施行した。脳賦活検査の課題は指運動課題、顔認知課題、情動課題、視覚聴覚マッチング課題であった。この中で顔認知課題については、fMRIとDTIを合わせた解析結果で有意な結果が得られたため報告した(Iidaka T et al, Neuroscience Letters, 2012)。 その内容について簡単に述べると、自閉症では顔認知の障害が認められるが、健常人においても患者より軽度ながら自閉性傾向が存在する。このような傾向はAutism-Spectrum Quotient(AQ)を用いて調べることが可能である。また自閉症の脳画像研究では、扁桃体と上側頭溝の機能的および形態的な変化が報告されている。そこで本研究手法により扁桃体と上側頭溝の領域をfMRIで同定し、次いでその両者の線維連絡をDTIにより描出した。線維束の体積と被験者のAQ得点との相関を調べた結果では、両者に有意な正の相関(Spearman's rank order correlation, ρ=0.38,p<0.05)を認めた。この結果は健常被験者において自閉性尺度が高いほど、代償性に線維束が大きくなっている可能性を示唆している。指運動課題、情動課題、視覚聴覚マッチング課題などについても、現在データ解析を行っている。
|
Research Products
(3 results)