2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21650063
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
赤平 昌文 筑波大学, 副学長 (70017424)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青嶋 誠 筑波大学, 数理物質系, 教授 (90246679)
小池 健一 筑波大学, 数理物質系, 准教授 (90260471)
大谷内 奈穂 筑波大学, 数理物質系, 助教 (40375374)
|
Keywords | 完備十分統計量 / 一様最小分散不偏推定量 / 母数空間 / 収束半径 / 切断分布 / 極値統計量 / 一般化情報量 / スコア |
Research Abstract |
本研究においては、「統計的モデルの前提条件の下で統計的推測方式の性質を導出する」という順問題に対して、「統計的推測方式の性質から統計的モデルの前提条件を導出する」という逆問題を考える。前年度の研究において、完備十分統計量が存在するとし、実母数の実数値関数が整級数展開可能であると仮定し、その収束半径とすれば、その半径内ではその関数の一様最小分散不偏(UMVU)推定量を構成することができた。ここで、その収束半径の円内から母数空間まで拡張できるかという問題が生ずるが、すでに、これは不偏推定量に関して一般には成り立たないことが分かっている。しかし、もっと制限して、UMVU推定量に関してはその拡張が成り立つか否かは分かっていないので、本年度の研究課題とした。これについては、収束半径内でUMVU推定量が存在する場合に、それが母数空間全体で不偏性を満たすか否か確認することで調べた。その確認は必ずしも容易ではないが、指数分布、一様分布等の場合には確認できて、与えられた母数空間においてUWVU推定量を構築することができることが示された。次に、両端が切断されている分布族を考えた。このとき、極値統計量は1次の漸近十分統計量となり、その際、情報量損失の観点から考えると、極値統計量は1次の漸近一般情報量損失は起こさないことが分かる。さらに、2次の漸近一般情報量損失を起こさない統計量は存在するかという逆問題を考えると、それは極値統計量と範囲の中央でのスコアの値の組による統計量になることが示され、これは、1次のオーダーでは切断分布の密度の両端点での情報を取り込むような極値統計量を考えれば良いが、2次のオーダーではさらにその密度の滑らかな部分の情報の取り込みも必要であることを意味している。
|
Research Products
(4 results)