2009 Fiscal Year Annual Research Report
統計的リサンプリング法と高次漸近理論の融合による実用的な高精度推測法の開発
Project/Area Number |
21650065
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
前園 宜彦 Kyushu University, 大学院・数理学研究院, 教授 (30173701)
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Keywords | ノンパラメトリック推測 / エッジワース展開 / カーネル法 / 確率点推定 / 高次モーメント / ジャックナイフ推定 / 正規化変換 / リサンプリング法 |
Research Abstract |
本研究では統計的リサンプリング法と高次漸近理論の融合による実用的な高精度推測法の開発の研究を行なっており、本年度は以下の研究成果が得られた。 1.ノンパラメトリックな統計的推測において現われる高次モーメントのジャックナイフ型推定量の漸近表現を求め、それを利用して一致性などの漸近的性質を示すことができた。またスチューデント化カーネル型確率点推定量のバンド幅に依存したエッジワース展開を求め、理論的に妥当性を証明し、シミュレーションにより検証を行った。さらにこの結果を利用して確率点推定量に基づくノンパラメトリックな信頼区間の構成法を導出した。2.ノンパラメトリックな設定の下で様々な統計量のクラスについてこれまでに得られている漸近理論を利用して、具体的な統計量についての適用とその修正を行った。特に標本相関係数に対するスチューデント化統計量の漸近展開について考察し、フィシャーのz-変換の一般化を含むいくつかの同値な推測法を提案するとともに、その比較を行った。3.比の形で表せる統計量のエッジワース展開を求め、それを元に理論的に近似を改善する正規化変換を構成した。また展開に現れるモーメントのジャックナイフ型推定量を提案し、緩やかな条件の下でそれらの推定量の一致性を示した。4.ブートストラップ分散推定量とジャックナイフ分散推定量の漸近表現を求め、平均二乗誤差を一般的に求めることができるようにした。またカーネル型推定量のジャックナイフ分散推定量の一致性を示した。5.これまでに得られていたエッジワース展開に基づく信頼区間の構成法と同等精度を持つが簡便である方法を提案し、その妥当性を示した。
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