2010 Fiscal Year Annual Research Report
音響電磁相互作用による脳の電気活動の実時間3次元イメージングと非侵襲的BMI
Project/Area Number |
21650082
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Research Institution | National Institutes of Natural Sciences Okazaki Research Facilities |
Principal Investigator |
永谷 幸則 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(岡崎共通研究施設), 岡崎統合バイオサイエンスセンター, 特別協力研究員 (00393421)
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Keywords | 神経科学 / 生物物理 / 脳・神経 / 生物・生体工学 |
Research Abstract |
本研究は、研究代表者の発明である「音響電磁相互作用に基づく生体の計測と刺激」の基本原理(国内特許出願2006-280558、特許国際出願PCT/JP2008/056304)とその発展を、プロトタイプ実験装置の開発と検証実験の実施により検証することを主要な目的とし、その応用として「脳などの生体の電気活動のサブミリメートル分解能での非侵襲的なミリ秒リアルタイム3次元のイメージング」と非侵襲的なBMI(Brain Machine Interface:脳と機械のインターフェイス)を可能とする技術や装置の開発を最終的な目的とするものである。本年度、前年度までに開発した実験装置を用いた原理検証実験を実施した。その結果、A)生体への超音波パルスの照射装置に関しては基本的な動作には問題は無いが、B)高い周波数帯に対応した高感度の生体電磁場検出装置の感度は十分であるものの対ノイズ性能が不足しており、生体信号がノイズに埋もれ十分に検知できない問題が判明した。このため、これを解決する為の回路設計・回路開発を重点的に行った。また、ノイズに埋もれた信号を検出する為の情報処理ソフトウエアの開発も併行して実施した。これらの開発により対ノイズ性能の高い検出装置の開発に成功した。得られた知見・技術の論文・特許化を予定している。しかしながら、現時点においても生体信号の確認には至っていない。この原因を追究したところ、実験場所とした生理学研究所・岡崎統合バイオサイエンスセンター内に存在する多数の大型電機機器類が生じる電磁ノイズが本質的な障害となっているものと判明した。このため、本研究を最終的に完成させるには、装置を可搬化するなどし、人口過疎地域や地下などの人工電磁ノイズの少ない環境、あるいは高性能な電波暗室内で実験を実施する必要があるとの知見を得た。
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Research Products
(3 results)