2009 Fiscal Year Annual Research Report
神経創薬に応用可能な神経イメージング基盤技術の萌芽的開発
Project/Area Number |
21650088
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
谷内 一彦 Tohoku University, 大学院・医学系研究科, 教授 (50192787)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 建彦 東北大学, 大学院・医学系研究科, 名誉教授 (70028356)
櫻井 映子 いわき明星大学, 薬学部, 教授 (90153949)
古本 祥三 東北大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (00375198)
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Keywords | PET / マイクロドーズ / 神経変性疾患 / イメージング / 脳内薬物動態 |
Research Abstract |
神経創薬に応用可能な神経イメージング基盤技術の萌芽的開発のために以下の2研究項目を実施した。 研究1:神経変性疾患に蓄積する異常蛋白質(アミロイドβ、タウ、αシヌクレインなど)に結合する低分子標識化合物[^<11>C]BF-227を用いてPET分子イメージング法の臨床研究を行なった。アルツハイマー病、プリオン病、多系統萎縮症(Multiple System Atrophy)において、[^<11>C]BF-227の脳内での結合量が増加することが明らかになった。[^<11>C]BF-227はタウ蛋白には結合しないが、アミロイドAβ、プリオン、αシヌクレインへの結合特性を持っていることが基礎および臨床研究から明らかになった。神経変性疾患の超早期診断や鑑別診断に有用であること都判明した。 研究2:脳内における抗ヒスタミン薬を例に薬物の脳内移行性をPET分子イメージング法で研究した。健常成人男子ボランティアに鎮静性抗ヒスタミン薬ジフェンヒドラミンを50mg、非鎮静性抗ヒスタミン薬ベポタスチン10mg、またはプラセボを、PET測定12時間前の前日就寝前に服用し、翌朝11時に[^<11>C]ドキセピンを投与し、脳内H1受容体を測定した。鎮静性抗ヒスタミン薬ジフェンヒドラミンを前日に投与した場合でも脳内H1受容体占拠率が50%近くあり、鎮静作用が翌日までhangoverすることが明らかになった。しかし非鎮静性抗ヒスタミン薬ベポタスチンではH1受容体占拠率が20%以下であり組織の移行性の速度が緩徐であった。PET分子イメージングを用いることにより組織移行性をヒトにおいて調べることが可能である。
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