2009 Fiscal Year Annual Research Report
リコンビナント近交系マウスを利用した雑種強勢と近交退化の分子遺伝学的基盤の解明
Project/Area Number |
21650097
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
森 政之 Shinshu University, 医学系研究科, 准教授 (60273190)
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Keywords | リコンビナント近交系 / 雑種強勢 / 近交退化 / マウス / 遺伝解析 |
Research Abstract |
ナショナルバイオリソース「マウス」(理化学研究所)からSM/J、およびA/J系マウス、さらに両系統を起源系統として確立されたSMXAリコンビナント近交系マウスを購入し、コンベンショナル条件下に導入した後に以下の交配系を作出した。(1)起源系統内の交配(SM/J×SM/JおよびA/J×A/J)(2)起源系統間の正逆F1交雑仔(SM/J♀×A/J♂およびA/J♀×SM/J♂)(3)リコンビナント近交系と両起源系統のF1交雑仔(4)F1交雑仔♀とA/J♂との交配 起源系統間のF1交雑仔((A/J×SM/J)F1)における成長速度、繁殖性、寿命、疾患誘導への耐性に関する雑種強勢の測定を試みた。成長速度の指標として10週齢時体重を測定した結果、SM/J<<A/J<F1であり、明らかな雑種強勢が認められた。繁殖性の指標として一腹平均産仔数を計測した結果、SM/J<A/J<<F1と明らかな雑種強勢が認められた。以上の結果より、これらの形質に関しては、今後に雑種強勢の機構の遺伝学的究明が可能と考えられた。さらに生涯総産仔数の測定を継続している。また、未経産雌マウスを用いて生存日数の調査も継続している。疾患誘導への耐性の指標として2%のデキストラン硫酸塩(dextran sulfate sodium ; DSS)を飲料水に添加し、7日間自由摂取させた後に誘発大腸炎に対する感受性を測定した結果、系統間に差は認められなかった。DSS濃度を段階的に0.5~2%として再検討を要すると考えられた。
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Research Products
(2 results)