2011 Fiscal Year Annual Research Report
リコンビナント近交系マウスを利用した雑種強勢と近交退化の分子遺伝学的基盤の解明
Project/Area Number |
21650097
|
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
森 政之 信州大学, 医学系研究科, 准教授 (60273190)
|
Keywords | リコンビナント近交系 / 雑種強勢 / 近交退化 / マウス |
Research Abstract |
SM/J、およびA/J系マウス、さらに両系統を起源系統として確立されたSMXAリコンビナント近交系マウスから以下の交配系を作出して産仔を得た。(1)起源系統内の交配(SM/JxSM/JおよびA/JxA/J)(2)起源系統間の正逆F1交雑仔(SM/J♀xA/J♂およびA/J♀xSM/J♂)(3)リコンビナント近交系と両起源系統のF1交雑仔(4)F1交雑仔♀とA/J♂との交配 起源系統間のF1交雑仔((A/JXSM/J)F1)における成長速度、繁殖性、寿命特性に関する雑種強勢の測定を試みた。成長速度の一指標としての10週齢時体重を測定した結果、F1交雑仔での平均値は起源系統での平均値よりも大きく、明らかな雑種強勢が認められた。しかしながら20週齢時での平均体重には、3系統間に有意差は認められなかった。繁殖性の指標として一腹平均産仔数を計測した結果、F1交雑仔での平均値は起源系統での平均値よりも大きく、明らかな雑種強勢が認められた。さらに生涯総産仔数を測定した。両起源系統が8産程度までで出産を停止するのに対し、F1交雑仔では13産に達した個体もあり、大きな雑種強勢が観察された。以上の結果より、これらの形質に関しては、雑種強勢の機構の遺伝学的究明が可能と考えられた。また、未経産雌マウスを用いて寿命(生存日数)を調査した。まだ生存している個体がいるために最長寿命は測定できていないが、50%生存日齢、および現在までに得られた生存曲線には3系統間で有意差は認められなかった。
|
Research Products
(4 results)