2010 Fiscal Year Annual Research Report
ビタミンK2による血管石灰化/骨粗鬆症の同時抑制と骨血管相関への実験的アプローチ
Project/Area Number |
21650112
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松本 健志 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 准教授 (30249560)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福島 修一郎 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教 (40362644)
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Keywords | 骨-血管相関 / 骨粗鬆症 / 血管石灰化 / インビボμCT |
Research Abstract |
前年度に確立したマウス・インビボCTシステムを骨形成への影響の少ない低被曝で利用できるよう、撮像条件および画像再構築の方法について検討し,700mGy以下でのCT計測が可能となった。本システムを用いて、腎臓を一部摘除したマウス(5/6モデル)に高リン飼料を与えた慢性腎不全(CKD)モデルマウス(Nx)と偽手術を施したコントロールマウス(Sham)を対象に、脛骨近位部のインビボCTイメージングを行った。計測は術後2週目から4週ごとに16週間(生後10週齢-26週齢)行い、CT終了後には血液サンプリング、さらに脛骨、椎骨および胸部大動脈を摘出し、骨については、フーリエ赤外分光法、ナノ・インデンテーション試験による皮質骨部の材料・力学的な評価を行った。 尿素窒素、クレアチン、リン、PTHの血中濃度はいずれもNx群で高く、CKDによる骨代謝異常が確認され、病態モデルの妥当性が確認できた。脛骨海綿骨部は両群とも計測開始より減少傾向を示した。しかし、Sham群では8週目以降ほぼ変化が見られなくなったのに対し、Nx群では減少し続け、26週齢では体積率、骨梁ネットワークの結合性とも有意にSham群より低値を示した。一方、材料特性(ミネラル量、ミネラル成熟度、コラーゲン成熟度)、さらに力学特性(弾性率、硬さ)については両群で違いはなく、骨組織そのものが持つ特性にはCKDの影響はないと考えられた。この結果は、椎骨においても同様であった。動脈の石灰化については原子発光分析法により解析中である.また、CTの被曝量を市販のシステム程度まで低減し、CKDの骨構造への影響を検出できたものの、16週間の長期にわたる実験ではその影響は無視することができず、さらなるCTシステム改良の必要が認められた。
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Research Products
(3 results)