2009 Fiscal Year Annual Research Report
病院物質を体内から除去する新たな戦略:メタボリックスイッチング
Project/Area Number |
21650123
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
山岡 哲二 National Cardiovascular Center Research Institute, 生体工学部, 部長 (50243126)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斯波 真理子 国立循環器病センター研究所, バイオサイエンス部, 室長 (70271575)
馬原 淳 国立循環器病センター研究所, 生体工学部, 室員 (80416221)
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Keywords | 高脂血症 / 自己免疫疾患 / メタボリックスイッチング / DNCS / 病因物質 / アフェレーシス |
Research Abstract |
代謝のアンバランスからもたらされる様々な疾患を治療する"メタボリックスイッチング"という新たな治療概念の実現に挑戦することである。その基本的原理は、これまでのDDS研究には類を見ない「生体内病因物質を、生体が備えている別の分解・排泄機構へと誘導する」ことによる疾患の治療法である。まず、高脂血症治療を目指して、血中LDL分子を肝細胞アシアロオロソムコイドレセプターに誘導するシステムの構築を進め、モデルマウスを用いたin vivoでの効果の検証に成功した。さらに、生体内で不要な抗体成分をLDLRへと誘導することで血中抗体濃度を低下させる試みとして、in vitroにおいて、ターゲット分子を肝細胞に特異的に取り込ませることにも成功した。具体的には、デキストラン硫酸と-ガラクトース分子の結合体(DexS-Gal)を合成し、その働きによりターゲット分子が単離肝細胞に取り込まれた量を分光学的な手法により定量化することに成功した。 抗体除去により治療を目指す疾患の一つは自己免疫疾患である。自己免疫疾患モデルとしては多くのシステムがこれまでにも報告されているが、単一抗体の除去がその治療効果に反映するものは多くはない。そこで、これらの自己免疫疾患モデル動物を作成すると共に、標的抗体を蛍光あるいは放射線で標識した後にマウスに静脈注射する方法で、抗体除去の効率を定量化できるモデルを作成した。このモデル作成は未だ継続的に実施中である。
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