2010 Fiscal Year Annual Research Report
ガンマ線エネルギー・強度可変でオン・オフも可能な治療用針状小線源の開発
Project/Area Number |
21650126
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
小栗 慶之 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 准教授 (90160829)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 純 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 助教 (90302984)
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Keywords | 小線源治療 / イオンビーム / 注射針 / ガンマ線 / 静電加速器 / クーロン励起 / 深部ガン治療 / ガラスキャピラリー |
Research Abstract |
平成22年度は,長さ70mmの注射針をビームラインの末端に取り付け,エネルギーが2MeVの陽子ビームを針の先端まで輸送し,発生するガンマ線の強度分布を測定する実験を行った.まず真空容器内に設置した二軸ゴニオメーターに注射針を固定し,ビームライン対する角度の最適化微調整を行った.次に上流の四重極電磁石の磁場勾配を調整しビームの集束状態を変化させて注射針に入射させた.ビームを急角度で集束させて入射イオン数を稼ぐ場合,及びビーム強度を犠牲にしてもできるだけ平行にして入射させる場合の二通りの方法を試みた.注射針に入射するビーム電流は前者で10nA,後者で1nA程度であった.注射針出口にファラデーカップを置いて透過してくるビーム電流を測定したが,ビームエミッタンスが大きく,また注射針の真直度も十分でなかったため,透過してくる陽子ビームの電流の測定に至らず,二次電子の電流を測定するに止まった.ファラデーカップを荷電粒子検出器に代えて測定を行ったが,低エネルギーの連続成分が主で,エネルギー損失を受けない直進成分を明確に測定することはできなかった.次に注射針出口にTaワイヤを挿入し,ビームを入射してクーロン励起によるガンマ線のエネルギースペクトルをGe半導体検出器で測定したが,目的とするガンマ線は検出できなかった,上記の実験と並行して,類似の取り扱いが可能なガラスキャピラリーによるビーム輸送の解析を進め,モンテカルロ法を用いたビーム輸送シミュレーション手法の高精度化を行った.
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Research Products
(3 results)