2009 Fiscal Year Annual Research Report
文化遺産との関係から見た先住民族の権利に関する国際比較研究
Project/Area Number |
21650232
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
加藤 博文 Hokkaido University, 大学院・文学研究科, 准教授 (60333580)
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Keywords | 先住民族 / 文化遺産 / 先住民族の権利 / 知的財産権 / 国際連携 / IPinCH / 文化財返還(repatriation) / アイヌ民族 |
Research Abstract |
○具体的内容 研究計画の初年度であるH21年度は、10月にアメリカ、カナダ、国内の研究者による「先住民族の文化遺産と知的財産権」についての国際ワークショップを北海道大学において開催し、海外の本テーマに関する研究動向を検討した。 また3月にはアメリカワシントンDCに所在するスミソニアン自然史博物館の文化財返還(repatriation)オフィスおよび国立アメリカインディアン博物館文化資源センターを訪問し、具体的なアメリカにおいける先住民族の文化遺産の権利および管理問題、また公共の博物館から先住民族への文化財返還のプロセスについて聞き取り調査、資料調査をおこなった。 ○意義と重要性 周知のように、2008年の国会両院における決議、これを受けての内閣官房長官談話に示されるように日本国内においてアイヌ民族は先住民族としての認定を受け、これに関するさまざまな立法を含めた取り組みが開始されている。 先住民族の文化遺産への関わり方、またその所有権の主張は広く国際的には長く議論されて生きたテーマである。一方においてわが国おいては、法的にもその位置づけはなされておらず、文化財行政においても具体的な取り組みはなされてきていない。 本研究では、その先駆的取り組みとして海外の研究者との連携体制の構築と情報交換の環境整備をめざして取り組みを開始した。 すでにその成果として、研究代表者はカナダにおいてカナダ社会科学人文科学研究協議会の助成をうけたIPinCHプロジェクトのアソシエートフェローとしての参加を要請され、メンバーとして共同研究を推進することが確定している。また2010年4月には、アメリカ考古学会において成果報告をおこなうほか、海外の研究者との意見交換を行う定である。
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Research Products
(4 results)