2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21651013
|
Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
山本 秀一 和歌山大学, システム工学部, 准教授 (30243372)
|
Keywords | モデル化 / 自転車 / 最適化 |
Research Abstract |
近年,スポーツ用自転車の普及が拡大しつつあり,それにともなって,休日に長距離のサイクリングに出かける人たちも増加しつつある.一方,初心者にとっては,「どのくらいの距離を走れるのか」,「どのようなペース配分で走ればよいか」など不安な点も多々あるように思われる.そこで,本年度は,そのような人たちに向けた情報発信を行うことができるモデルの開発を試みた. 具体的には,対象とするサイクリングコースを,勾配(登り,下り,平坦)によっていくつかの区間に分割する.コースの属性は,各区間の距離と勾配のみに単純化して捉える.次にコースを完走する目標時間を設定する.各区間の平均速度を変数として,目標時間の制約下で,走行に必要な平均出力を最小にするペース配分(各区間の平均速度)を計算する数学モデルを構築した. 開発したモデルによる最適走行計画の概要を分かりやすく説明すると,次のようになる.すなわち,上り坂の区間はできるだけがんばって走行し,そこで稼いだタイムを利用して平坦区間での速度を抑え気味に走行する,ということである.自転車走行においては,空気抵抗に抗する仕事と,自転車と乗り手の体重を,上り坂の高度差分を重力に抗して持ち上げる仕事が主要である.このうち,後者は速度(ペース配分)とは無関係である.したがって,平均出力を最小にするには前者を最小にすることが必要であり,そのためには,コース全体の平均速度を最小にしなければならないのである.
|