2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21651091
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
北 将樹 University of Tsukuba, 大学院・数理物質科学研究科, 講師 (30335012)
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Keywords | 共生現象 / 天然物化学 / 単離と構造 / 生物活性 |
Research Abstract |
共生現象はサンゴ-褐虫藻など様々な生物間でみられ,その成立や維持には内因性物質が関わるとされているが,物質レベルでは解明されていない.共生藻の生態に影響する宿主由来の因子(ホストファクター,HF)や,共生関係の成立や維持,崩壊に関わる共生藻由来の因子(ゲストファクター,GF)が解明できれば,物質レベルや遺伝子発現レベルで共生現象を評価することが可能になるので,有意義と考えられる.また社会的関心も高いサンゴ白化現象の改善や,宿主動物の色彩や形態の制御など,貴重な海洋資源の維持や向上につながる重要な知見が得られると期待される.このような背景から,淡水原生動物や海洋無脊椎動物など宿主動物と,共生微細藻類との間で働く生理活性物質を化学的に解明することを目指して,本研究を実施した.これまでに,海洋無脊椎動物ヒラムシに共生する渦鞭毛藻Symbiodinium属より,長鎖ポリオール化合物シンビオジノライドを発見し,平面構造と部分的な立体化学を決定している.また本化合物はヒト神経芽腫細胞IMR-32に対し極微量で細胞内Caイオンを上昇させることを見いだしている.今回,薬理学実験により,シンビオジノライドがモルモット回腸標本に対して顕著な収縮を引き起こし(EC_<50>=270nM),さらにN型カルシウムチャネル特異的なアゴニストであることを解明した.また構造解析においては,オレフィンメタセシス触媒を用いた加エチレン分解反応を用いて,62員環マクロラクトン構造の部分分解フラグメントを得ることに成功した.
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Research Products
(17 results)