2009 Fiscal Year Annual Research Report
カンボジアにおける地雷回避教育プログラムの研究開発
Project/Area Number |
21651106
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Research Institution | Kobe Gakuin University |
Principal Investigator |
前林 清和 Kobe Gakuin University, 人文学部, 教授 (10241168)
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Keywords | カンボジア / ボイペット / 地雷 / 現状調査 / 意識調査 |
Research Abstract |
カンボジアは現在もなお、600万個以上に地雷が埋められている。特に北部のタイ国境地帯では、地雷原が多くある。今回は、カンボジア北西部のバンティミエンチャイ州ポイペット地区において、住民に対して地雷に関する聞き取り調査を行った。ポイペット地区は、1970年から1999年までの内戦が続き地雷や不発弾が放置されたままの状態である。地雷回避教育教材開発のための現状調査を行った。 1)調査期間:2009年7月~2010年1月 2)調査地域:カンボジア王国バンティミエンチャイ州ポイペット地区「オルセイ村・オーニエン村」「サンタピァップ村」「アンサラー村」「ツールプラサート村」他 3)調査内容: (1)村の地雷の現状成人(15歳以上)たちへの地雷に関する聞き取り調査 (2)地雷原に住む子どもたちの地雷意識(7歳から14歳)100名に聞き取り調査 4)調査結果概要: 村人たちは炭焼きや薪で生計を立てるために木を切りつくしてしまい、今、木が残されている森は地雷原である。にも拘わらず村人たちは、「地雷の恐怖感より食べていけない恐怖」の方がより強く、地雷原に入り込み木を切り出しているときに悪魔の兵器と言われる地雷を踏み、命を奪われている。また、こども達は、地雷が外国人に1個20ドルで売れるため、地雷原に入り込む。目に見えない地雷は村人たちや子供たちの命を奪っている。 子どもたちは、地雷や不発弾については100%の子どもが認識しており、地雷原についても80%が知っている。それに対して地雷回避教育を受けている子どもは10%しかいない。そのような現状のなか、多くの子どもが地雷原にはいっていくという現実がある。
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