2009 Fiscal Year Annual Research Report
新型インフルエンザ;リスク認知とリスク回避行動の関係についての実証的研究
Project/Area Number |
21653043
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
坪内 暁子 Juntendo University, 医学部, 助教 (10398662)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奈良 武司 順天堂大学, 医学部, 准教授 (40276473)
丸井 英二 順天堂大学, 医学部, 教授 (30111545)
青木 孝 順天堂大学, 医学部, 教授 (20053283)
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Keywords | リスク認知 / リスク回避 / 教育的介入 / リスク評価 / 政策への信頼・協力 |
Research Abstract |
21年度は、我が国の新型インフルエンザ対策でハイリスク・グループに分類される中学生を中心に、高校生、大学生、高齢者、勤労者に向けて、インフルエンザや感染対策の知識や新型インフルエンザ等の発生・流行時の行動の特徴を把握する目的で予備調査を実施した。調査は倫理指針等を遵守し、教育効果、行動リスク等を意識して、学校等を介してグループ単位で実施した。設問は次の内容を含む21問で構成される。1) 新型インフルエンザや対策に関する知識、2) 発生・流行期の行動、3) 情報源等。その結果、リスク認知とリスク回避行動とがリスクマネジメントの概念通りに正しくリンクしている勤労者に対して、高齢者は自らの身体的リスクを認識した上で、新型インフルエンザ対策に関する情報収集等に強い関心を示し、マスマスコミや広報から得た知識を正しく認識できていない割合も他のグループよりは多いにも関らず、対策全体を通して慎重でリスク回避の方向に進む傾向があることがわかった。一方、中学生は、知識吸収能力は高く対策についても正しく理解しているが、行動に関するリスクの認識が甘く、知識と予想される行動とが合致せず危険性が高いと感じた。ブタ由来の新型インフルエンザの発生時期に学校閉鎖等で自宅待機を指示されていた関西エリアの不顕性感染者を含む高校生がカラオケ店に殺到し、その結果として感染が拡大したといわれた事件からも、行動が活発なTeenAge世代は行動のリスクが高いと考えられる。従って、本研究の中核である「感染症教育」の効果としての行動リスクの低減への期待値は非常に高く重篤者への被害の拡大の抑制につながると予想される。以上の行動等の特徴を踏まえて、22年度はSARS流行国であった台湾等で日本同様の介入研究を実施し、リスク認知とリスク回避行動の関係について検証する。
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Research Products
(4 results)