2009 Fiscal Year Annual Research Report
新入消防職員の心理・脳科学的アセスメントの可能性について
Project/Area Number |
21653058
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
松井 豊 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (60173788)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
望月 聡 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (30313175)
山田 一夫 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 准教授 (30282312)
福井 俊哉 昭和大学, 横浜市北部病院, 准教授 (00218893)
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Keywords | 消防 / ストレス / 脳科学 / 神経心理学 / 心理検査 / 適性 |
Research Abstract |
惨事ストレスへの耐性に関する予測を行うために、新人の消防職員(対照群として男子大学生)に心理検査・神経心理学的検査・脳科学的な検査を継時的に行い、リアリティショックや惨事ストレスによる影響やこれらのストレスに対する耐性に関する検討を試みた。具体的な目的は以下の3点てあった。a)赴任まもない消防職員(以下新人消防職員)に年に1回ずつ継時的に、性格心理学的検査・神経心理学的検査・脳科学的検査(MRI)を行い、災害救援者の適正配置のために、どのような検査バッテリーが適切であるかを検証する。b)神経心理学・脳科学の立場から、災害救援者の惨事ストレス耐性を明らかにする。c)心的外傷と脳内部位(とくに海馬サイズ)の変化の関係を、事前事後測定によって確証する。本年度は継時的測定の第1回を実施した。筑波大学および昭和大学病院の研究倫理審査委員会で倫理審査を受けた後、消防関係者に研究協力を依頼した。その結果、新人消防職員7名、男子大学生2名の参加を得ることができた。研究協力者には、質問紙(デモグラフィック変数、(消防職員の場合には)消防学校での教育課程や校内での適応状態、外傷経験の有無と内容、IESRなど)、性格心理学的検査としてビッグファイヴ、神経心理学的検査として、Rey複雑図形(非言語性)、数唱およびタッピングスパン、PASAT(注意および遂行機能)、嗅覚検査を実施した。後日、脳科学的検査としてMRIを実施した。データを解析した結果、新人消防職員と男子大学生との間には、いずれの検査結果にも差が見られなかったが、消防職員における被災体験の有無については、1指標において有意傾向の差が認められた。
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