2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21653078
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
積山 薫 熊本大学, 文学部, 教授 (70216539)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 周司 九州大学, システム情報科学研究院, 教授 (10239600)
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Keywords | 読字速度 / 文字認知 / 高速逐次呈示法 / コントラスト / 文字サイズ / スクロール文字 / 老視 / 視覚探索 |
Research Abstract |
観察距離が読字速度に及ぼす影響】 カナ単語を刺激として、単語の読み上げを求める高速逐次呈示課題で、健常視者と比較して老視者の読字速度を比較する実験を、観察距離2条件(近い距離:35cm、遠い条件:70cm)、2種類の文字サイズ、2種類の輝度コントラストでおこなった。その結果、老視者では、文字サイズが小さく輝度コントラストが低い場合に観察距離が近いと顕著に読字速度が低下することが明らかとなった。 【スクロール文字の読み】 横スクロール文字の読みにおける最適表示サイズについて検討するため、日本語平仮名単語を文字サイズを変えながら横スクロール呈示し、読字閾値を測定する実験を行った。その結果、1つ1つの文字サイズの大小よりも単語全体の幅が読字速度に大きく影響することがわかり、最適な単語幅は3。6°付近であることがわかった。また、文字サイズも読字速度に対して少なからず影響し、最適文字サイズの範囲は0。5゜~1。0゜であることがわかった。 【視覚探索課題による日本語と英語の単語検出速度】 視覚探索課題の反応時間を測ることにより、日本語と英語の単語検出速度を老視者と健常視者で比較した。画面上に呈示した8個の単語を左から右へ探索し、ターゲットである非単語が存在するかしないかの判断を被験者に求め、反応時間を測定した。観察距離35cm、2種類の文字サイズで、2種類の輝度コントラストで実験を実施した結果、日本語では老視者と健常視者の反応時間に差はなかったが、英語の場合には「被験者群×文字サイズ×コントラスト」交互作用が有意であり、老視者では文字サイズが小さくコントラストが低い場合に反応時間が顕著に増大した。
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Research Products
(3 results)