2010 Fiscal Year Annual Research Report
日本的な専門職コンピテンシー抽出と質保証システム構築のための横断的分析
Project/Area Number |
21653089
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
橋本 鉱市 東京大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (40260509)
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Keywords | 専門職 / 質保証 / 研修システム / 実習 / 専門教育 |
Research Abstract |
本研究の目的は、大学(院)教育ならびに専門的労働市場における専門教育-卒前実習-卒後研修プログラムによって育成・涵養される「専門職コンピテンシー」と、その「質保証」システム(とくに「実習」と「研修」)について、国家・大学・専門職集団などの様々なアクター(ステークホルダー)らの影響力の相互作用を視野に入れつつ、質の実態論よりもむしろをそれを構成する「ロジック」の側面に着目し、各職種横断的ならびにアジア諸国との比較分析を通して明らかにすることである。 これらの目的に則して、本年度は主に以下の3つの研究を行った。まず専門職コンピテンシーやその「質」を、一連の養成過程に関係する様々な政治アクター(ステークホルダー)によって定義される一種の「政治的構成物」として捉え、そうした様々なアクターの語りの中にそれぞれの相違点を抽出して、養成に関わるアクターの政治的ヘゲモニーを逆照射する研究を進めた。第2に、それらを保証する「制度」、とくに大学における座学を中心とした専門(職)教育(学問知)と現場での実際的な業務(実践知)とを繋ぐ「実習」に着目し、その制度化のプロセス、戦略、ロジックなどの考察から、各職における政治的ヘゲモニーのありかを解明することを試みた。第3に、中国、韓国など東アジア諸国の研究者の参加と共同研究を行い、専門職養成プログラムの比較研究を進めた。また、それぞれの研究においては、専門職化の過程にある国内外の新旧とりまぜたさまざまな各種専門職を取り上げて具体的なケーススタディを積み重ねることで、全体的な知見を得ることを目指した。 これらの研究成果については、年度末に「中間報告」(全193頁)の形で刊行した。
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Research Products
(2 results)