2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21654078
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
山田 裕久 National Institute for Materials Science, 光触媒材料センター, グループリーダー (00343848)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 堅志 独立行政法人物質・材料研究機構, 光触媒材料センター, 主任研究員 (80370310)
末原 茂 独立行政法人物質・材料研究機構, 計算科学センター, 主任研究員 (00354374)
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Keywords | 岩石・鉱物・鉱床学 / 人工・天然鉱物 / 層状ケイ酸塩 / 粘土鉱物学 |
Research Abstract |
層状ケイ酸塩であるスメクタイト、マイカは、それぞれ「膨潤性粘土鉱物」、「非膨潤性層状ケイ酸塩」として分類されてきた。最近、非膨潤性マイカの膨潤性挙動を見出し、これらの分類に根本的な疑問を提示した。本研究では、スメクタイトーマイカ系層状ケイ酸塩の本質を、実験鉱物学、材料科学、結晶化学、計算科学の融合により明確にする。プロセスが精緻に制御できれば、従来にない単結晶サイズで、新しい構造・形態・機能を有する膨潤性層状ケイ酸塩の創製も可能となるはずである。 本年度は、いまだ十分に解明されていない「スメクタイトーマイカ系層状ケイ酸塩の本質」を追求ために、以下の研究を推進した。 Mg-Al系のスメクタイトーマイカ系列の理想的な構造化学組成において、精緻に化学組成を制御したスメクタイト、混合層鉱物、雲母粘土鉱物などの各種2:1型層状ケイ酸塩の合成を水熱条件下(圧力100MPa、温度200-800℃)でいった。さらに次年度の予備実験としてZn系スメクタイトの合成を試みた。これら合成層状ケイ酸塩の化学組成・結晶度・結晶粒子径・形状、構成元素の配位状態を、電子顕微鏡学やX線回折法による構造解析、分光学による機能解析によって検討した。特にこれらの膨潤挙動をポリマー中での分散状態から評価した。さらに、第1原理バンド計算を用いて、Mg-Al系スメクタイトーマイカ系層状ケイ酸塩の要素解析を進め、これらの電子状態解析、電荷密度解析、振動解析、軌道解析等を行うと共に、各種物性値(比熱、エントロピー、膨潤性等)の理論的計算を進めた。
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