2009 Fiscal Year Annual Research Report
インジウムを配位原子とする遷移金属錯体の創製:多重結合の構築に向けて
Project/Area Number |
21655022
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
中沢 浩 Osaka City University, 大学院・理学研究科, 教授 (00172297)
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Keywords | インジウム / フェロセノファン / リチオ化 |
Research Abstract |
ヘテロ原子架橋の[1]フェロセナファンは、光や熱により開環重合して含金属ポリマーを与える。このポリマーは興味ある電気伝導性や磁気的性質を示すために注目されている。本研究では、未だに報告されていないインジウム架橋[1]フェロセノファンの合成に挑戦した。まず、ジリチオフェロセンを合成し、それに3ハロゲン化インジウムを反応させることを計画した。フェロセンと^nBuLiとの反応後TMEDA (Me_2NCH_2CH_2NMe_2)を加えることによりジリチオフェロセンを単離した。これにInBr_3を反応させたところ、1つのCp環にインジウムが結合し、そこにTMEDAが配位した錯体である(C_5H_5) Fe (C_5H_4InBr_2・Me_2NCH_2CH_2NMe_2)が生成した。この錯体の構造はX線構造解析により明らかにした。この反応において、なぜインジウム架橋[1]フェロセノファンが生成しなかったのかについてはえ、現在のところ明らかになっていない。今後はこの点を明らかにし、インジウム架橋[1]フェロセノファンの合成経路を確立し、さらに開環重合して鉄とインジウムを主鎖にもつポリマーを合成していく予定である。
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