2009 Fiscal Year Annual Research Report
金ナノロッドアレイを用いる高機能SPRセンサの創製
Project/Area Number |
21655028
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山田 淳 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 教授 (30136551)
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Keywords | 金ナノロッド / 近赤外SPRセンサ / 多機能型SPRセンサ / 電場変調 / ナノ構造体 |
Research Abstract |
形状の異なる金ナノロッドの調製と分離方法、表面修飾技術ならびに透明基板への固定化技術と特性評価を行った。 (1) 金ナノロッドの合成(山田) 金ナノロッドについては企業と共同でアスペクト比(縦横比)が3~80程度の範囲のものを合成できるようになった。また、疎水化処理については、有機溶剤に可溶化できる表面修飾法についても検討を進め、水面に浮かぶ状態まで改善できた。 (2) 表面修飾の検討(山田、連携研究者:上地) 金ナノロッドの表面をシランカップリング剤とチオール系色素で覆う方法により、水面に浮かぶ状態になった。このロッドを有機溶剤に分散したものを水面上に展開し、ラングミュア-ブロジェット法で単粒子薄膜を形成することに成功した。しかし、この薄膜をガラス基板に転写することが困難であった。現在も継続して検討を進めている。 (3) 光学的特性評価と固定化の検討(山田、連携研究者:上地) 金ナノロッド薄膜の分光特性を吸収スペクトルで評価解析するために、高出力キセノン光源を購入した。水面単粒子膜についてはガラス基板に転写できなかったので、シリカ系高分子であるコンポセランと疎水処理した金ナノロッドを混合し、ガラス基板にキャストして薄膜を形成した。偏光スペクトルを測定したところ、膜厚が薄く(3-4μm)含有量が多い(25%)場合に明確な偏光特性が認められた。さらに、加熱処理を施すと、180℃で30分加熱しても安定性が保持できた。一方、疎水化金ナノロッドをガラス基板に直接キャストした場合、プラズモンバンドがブロードになりすぎ、金ナノロッド間の相互作用が強すぎることが分かった。現在、希釈法について検討を進めている。
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