2009 Fiscal Year Annual Research Report
DNAをテンプレートとした分子ナノアレイによるDNAの1分子検出
Project/Area Number |
21655065
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
大矢 裕一 Kansai University, 化学生命工学部, 教授 (10213886)
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Keywords | DNA / ナノアレイ / 一分子検出 / ナノテクノロジー / プロープ顕微鏡 / 金ナノ粒子 / アルカンチオール / 自己組織化 |
Research Abstract |
本年度は下記の通り,DNA結合金ナノ粒子(GNP)の調製に注力した。 1)金ナノ粒子にDNAを導入した結合体の合成と集合体形成 金ナノ粒子(GNP)表面にアルカンチオールで自己組織化単分子膜(SAM)を形成させたのち,チオール末端を有するDNAを反応させることにより,GNPの二つの「極」部分にだけDNAが導入された結合体を調製した。現実にDNAが「極」部分に導入されていることの直接的確認は不可能であったが,二種類の相補的DNAを結合したGNP/DNA結合体を混合したところ,予想されたようにGNPの直線状多重連鎖が形成されることが透過型電子顕微鏡(TEM)観察より明らかとなった。この結果より,設計通りの調製に成功したと考えられる。また,この実験においては,GNPの凝集を押さえるため,アルカンチオールとして親水性(カルボキシル基)末端を有するものを使用することで,凝集の問題点が解決されることも明らかとなった。 2)金ナノ粒子に所定本数のDNAを導入した結合体の合成 GNPに1-3本の所定本数のDNAを導入した結合体の作成方法についても検討した。溶液中のGNP濃度(個数)を紫外可視吸収スペクトルなどから推定し,それと数倍等量の末端チオール化DNAとを反応させ,得られたものを電気泳動により分離することで,GNPに対してDNAが1-3本導入されたものをそれぞれ単離した。当初予定の長鎖DNA(テンプレートDNA)を導入したもの(GNP/T-DNA結合体)の合成には至っていないが,上記のGNP/DNA結合体を相補的な組み合わせで混合したところ,導入本数を反映した集合体の形成がTEM観察により認められたことから,目的化合物の調製にほぼ成功したと考えられる。
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