2009 Fiscal Year Annual Research Report
空間的・時間的制御可能なナノヒーター実現のための基礎研究
Project/Area Number |
21656058
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
鈴木 基史 Kyoto University, 工学研究科, 准教授 (00346040)
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Keywords | 熱工学 / 薄膜 / マイクロ / ナノデバイス / 光物性 / ナノ材 |
Research Abstract |
微小な空間の内部に熱源を持ち,これを動力源とするテバイスへの展開を念頭に,本研究では,貴金属ナノ粒子を用いた時間的・空間的に発熱量をフレキシブルに制御することが可能なナノヒーターの実現可能性を明らかにする. 平成21年度は,1.光を照射されたAuナノ粒子の発熱量の測定,2.薄膜の積層構造による発熱の空間的制御を検討した. ガラス基板上に真空蒸着法によって,Ag鏡とSiO_2の薄膜を成膜した.ここではこの第1のSiO_2層を位相制御層と称する.位相制御層の上に,我々独自の動め蒸着法によってSiO_2の多孔質膜した.多孔質膜は基板を蒸着源に対してすれすれに傾斜して配置してSiO_2の蒸気を表面にすれすれの方向から入射することで自然に形成される.この第2のSiO_2層を形態制御層と称する.形態制御層の表面に少量の(平均膜厚に換算して10nmの)Auを斜めの方向から蒸着することによって孤立したAuナノ粒子を形成した.本研究のために新たに製作したシャッターシステムを用いてAuナノ粒子の密度と位相制御層の厚さをコンビナトリアルに調整した.Auナノ粒子の密度と位相制御層の厚さによって,Auナノ粒子の光吸収率をほぼ0-100%の間で空間的に制御することに成功した.作製した試料を水中に浸漬し,波長785nm,強度90mWのレーザを照射しながら水の温度上昇を新規に導入したサーモビュアーで測定したところ,Auナノ粒子の発熱量が,積層構造で制御された光の吸収量に比例することを実証することができた.すなわち,当初の期待通り,照射によってAuナノ粒子の発熱量を,空間的に制御することに成功した. 平成22年度は発熱の時間的な制御に注目して実験を進める計画である.
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Research Products
(6 results)