2009 Fiscal Year Annual Research Report
浅層地下水の蒸発層システムによる夏場のヒートアイランド緩和技術の可能性
Project/Area Number |
21656119
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
神谷 浩二 Gifu University, 工学部, 准教授 (50252119)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大谷 具幸 岐阜大学, 工学部, 准教授 (20356645)
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Keywords | 不飽和土 / 毛管上昇高さ / 水分特性曲線 / 不飽和透水係数 |
Research Abstract |
本研究は,浅層の地下水の新たな活用ニーズに対処するため,地中に設置する鉛直土層を介して地下水を地表面から蒸発させ,そのときの気化熱によって路面温度の低下を図るヒートアイランド緩和技術の可能性を探ったものである. 平成21年度は,土層中で地下水が上昇するときの不飽和浸透特性について検討して,特に,粒度の異なる幾つかの砂の試料層を対象に,鉛直一次元方向で水を毛管上昇させる実験を実施し,毛管上昇高さの経時変化や限界毛管上昇高さを調べるとともに,試料層内のサクション・体積含水率を測定した.そして,毛管上昇機構について究明した結果,次のような知見が得られた. (1)炉乾燥試料内に間隙水が上昇する高さが毛管上昇高さであると定義したとき,砂試料の粒径が大きくなるほど,毛管上昇開始からの初期の速度は速くなるが,限界毛管上昇高さは低くなることが認められた. (2)限界毛管上昇高さの従来の推定式の適用性を点検したところ,その高さは粒径と間隙比によって良好な関係で表現できることが確認された.なお,上昇高さは,間隙比の違いによる差は大きくなく,粒径による影響が支配的であるとみられた. (3)毛管上昇高さの経時変化は,力のつりあい式に基づいて良好な関係で再現された.また,毛管上昇時のサクション・飽和度変化を一次元不飽和浸透流解析によって再現を試みたが,測定値に対して計算値では毛管上昇速度が速くなるなどの差がみられ,境界条件の設定などが今後の課題であった.
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